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2011年04月10日

海外生活のススメ(70)  再就職

定年後の再就職は、多くのサラリーマンにとって、とても関心のあることだろう。60前後で定年退職してもまだ働き口があれば、年金を貰うまで蓄えや退職金を減らさないで済むし、その後の生活が楽になるからだ。しかし、それは元々、いろんな条件を前提にした話でしかない。

日本は年金財政が危うくなって来てるし、新興国の食糧・資源物の需要増大や先進国の金融政策等を考えると、今後、世界的なインフレになることが予想される。だから、年金受給まで働ければよいということではなくなって来るのだが、日本人と話をすると、ほとんどの人が再就職や年金のことしか頭にない。

年金が当てにならず、しかもインフレになるならば、たくさんの蓄えがない限り、死ぬまで仕事をしなければならなくなる。つまり、再就職ができるように、真面目に働いて、できるだけ出世しておくというスタイルは、これからはあまり意味がない。それよりも、生きている間中、働けるように準備することの方が大事だろう。

「出世」「再就職」「年金」という言葉が、空しい響きを持つ時代になって来た。老人になって体力が衰えても続けられることで、自分の興味が尽きないものを身につけておく必要がある。そのためには、若いうちから準備しておかないと間に合わないし、また長年染み付いたものから抜け出すには、想像以上に時間が掛かる。


写真)  サツマイモのデザート(ベトナム料理)



2010年02月18日

海外生活のススメ(24)  ストレス

中国人は、周囲のことをあまり気にしないのでストレスを感じていないように見えるが、実はかなりストレスを抱えて生活しているらしい。日本人とはストレスの中身が違っているので、ストレスを感じていることが分からないだけのようだ。

たとえば、学生は成績が良くなければならず、女性は色白が良く適齢期には結婚しなければならない。男性は酒が飲めなければ出世しにくく、家を持ってなければ一人前とは見なされない。しかも、こうした価値観は絶対化しており、替わりになるものがない。だから、たとえば子供が成績は悪いが性格は良いというのも、価値としてほとんど認められない。

子供にこうした狭い価値観を植えつけているのは主に親なのだが、子供は親が自分のためを思って言っていることが分かるから反発ができない。かといって、実際には子供がそんなに理想どおりになるのは難しく、そのことがプレッシャーとなって彼らを苦しめている。日本でもこのような家庭があると思うが、中国よりはまだ子供に逃げ道がある気がする。
 
ただ、中国は人口が多く、基本的な面で一定のレベルを越えていないと存在感がないから、仕方がないという事情がある。その点、日本は少子化で子供は貴重な存在だから、どんなであっても良いとする考え方があり得るだろう。子供もその自由さを活かすようにすればいいと思うのだが、最近は経済不況で一番なりたい職業が公務員と考えるなど保守的になっていると聞いて甚だ残念である。


写真)杭州の夜市。以前は外国人相手のパチモノ専門だったが、最近は日用品が主で、客も中国人が多い。
  


2010年02月11日

海外生活のススメ(23)  一旗あげようとする人

日本人は、中国が合う人と合わない人の分かれ方が二極化するようだ。日本人にとって、中国社会は決して優しいところではない。街はあまり清潔でなく騒音に溢れており、人はマナーが悪く自分勝手で、仕事は大雑把で信頼できないことが多いし、料理は脂っこく衛生面の問題もある。

だから、清潔好きな人、静かな環境を求めたい人、マナーにうるさい人、几帳面な人、味に敏感な人、食の安全にこだわる人は中国が苦手に思う。それゆえ、中国に住んでもいいと思うためには、粗雑なところが反って気楽であるとか、大きな価値を見出したので目を瞑れるなど特別なプラス要因がないと結構ストレスになる。

このように、中国は住むにはかなり苦痛なところだから、誰にもはお勧めできない。敏感な人ならすぐにでも逃げ出したくなるし、中国がある程度気に入った人でも長くいるところではないというのが一般的な意見だろう。だから特別な事情がある人以外は、頃合を見て日本へ帰る。

因みに、昔風に言うところの一旗あげようと思って来た人はどうかというと、金儲けだけを考えている人は、すぐにも成功しそうな中国の雰囲気に惑わされて、結局は上手く行かず帰国する人が多い。ただ、これは中国が合う合わないというより、どこであっても精神性を欠いて大丈夫なほどビジネスは甘くないということであろう。


写真) 上海の高級マンション。中国の高級マンションは規模が大きく、敷地内に公園のほかプール、テニスコート、バスケットコートなど運動施設があるところも多い。


2010年01月21日

海外生活のススメ(20)  中国人の不動産好き(2)

中国の家庭では子供が結婚するとき、親が家や車をプレゼントするのは結構普通なことだそうだ。日本では子供が結婚するとき親がそこまでするのは少ないが、中国ではある程度裕福な親は家の頭金を負担したりする。これは、家があってはじめて落ち着いて生活ができると思うからだそうだ。

こういう考え方は、もちろん理解できる。しかし、今、不動産を買い漁っている人達は、落ち着いた生活のためではなく、単に利殖のためである。不動産が好きなのではなく、不動産を持っていないと惨めだと思う人が多いことを利用して、金儲けしているに過ぎない。そういう金儲けを考える人が多いことが、不動産の高騰を招いている。

それにしても、なぜ異常な価格になるまで不動産を買い続けるのか。実は不動産を買うことには、別の動機がありかつ大きな保険が付いている。中国は人口があまりにも多く、特に才能を持たない人は社会に完全に埋もれてしまい、金持ちになるチャンスはない。不動産を買うことは特別な才能が要らないし、危険と分かっていても一か八かの勝負をせざるを得ないと考えるのである。

また、不動産を買い漁っている人はもの凄く多いし、仮に不動産価格が暴落したら破産するのは自分だけではない。そして、多額のローンが返済不能になれば銀行が危うくなるが、中国の大手銀行はすべて国有だから、潰せないので政府が何とかするに違いないと考えて強気なのである。こうした動機と保険があって中国の不動産は高騰を続けているが、今後どうなるかを注目している。


写真)温州の靴工場。


2010年01月11日

海外生活のススメ(19)  中国人の不動産好き(1)

今、中国では「蝸居」というドラマがたいへん話題になっている。普通の夫婦がマイホームを得るためにいろいろ苦労する話だが、内容が実社会で起こっていることにそっくりというので人々の共感・関心を呼び、マイホームに対する願望のせりふのところでは多くの中国人が「そうだ!」と頷きながら見ているらしい。

中国の大都市の不動産価格は、日本の不動産価格よりも高く、中国人の一般的な所得水準からは遠く掛け離れたものになっている。どうしてそのように不動産価格が高いかというと、いろんな要因があるようだが、一つには人々の間に不動産は絶対に値上がりし続けるという妄信があるからのようだ。

日本でも以前そうした不動産神話があったが、今、中国ではその神話によって頭金があるならば、すぐに不動産を買ったがよいという考えが蔓延しており、人々がそう思って買うから価格が上がり、価格が上がるから買うという循環が起こっている。もちろん、こうした不動産の高騰はいわゆるバブルと言われるもので、その危険性についてはかねてより指摘されており、中国人もよく承知している。

では、なぜそんな危険な投資をするのか。今、中国の金持ちの大部分は、不動産投資によってその資産を得た人達である。つまり、危険を避けた理性的な人達は金持ちになれず、危険を冒した人が金持ちになっており、またそうやって金儲けをした人たちが自分の周りにたくさんいるという現実があり、それゆえ最早躊躇してはいられないということで買いを急ぐようだ。
続く


写真) 売上げ中国一のデパートといわれる杭州大厦。世界中の有名ブランド品が揃っており、ヨットやBMWなども売られている。


2009年12月25日

海外生活のススメ(17)  中国人の労働観

中国人は真面目に働こうとしないとか、目先のことしか考えていないという日本人が多い。確かにそういう一面があると思うが、そうした見方自体がかなり日本的でもある。日本では安い給料でもよく働くことが当たり前だが、中国では給料分しか働かないとか、出世の見込みがなければあまり働かないというのが常識である。

中国人は、若い人はいつも転職を考えており、ジョブホッパーモデルを描いているので、自分の能力が上がって給料が上がらないとすぐに転職を考える。だから、いい人材であれば辞めないように、また辞められても困らないように、仕組みを作って置かなければならない。

また、中国人は相手が力を持っているとか、将来自分の利益になりそうだと思えば好意的だが、自分の役に立たないと思ったら簡単に離れて行ってしまう。したがって、長期的な人間関係を築くことが難しいし、日本人からしたら裏切られたような気持ちになることもある。

それゆえ、中国人を雇用する場合、信頼の積み重ねが利かない点が非常にリスクとなる。また、転職が多いとか、働く意欲の問題も大きなリスクである。こうしたリスクを回避するには、一般に一緒に飲食をするとか信賞必罰とかが考えられるが、やはり労働観を変えてもらわないと本当には安心できないところが辛い。


写真) 上海南駅構内 中国では、列車ごとに待合室が別れている。


2009年12月15日

海外生活のススメ(16)  中国で人気のある日本の商品

made in Japanの中国での評価は、もちろん総じて高いが、誰の目にも分かるほど売れている商品はそれほど多くない。売れる売れないの差がどこにあるかは、知名度や価格、販売方法などいろんな要素が絡むのだろうが、特に人気のあるものには、はっきりした理由が見て取れる。

 まず、食では味千ラーメンが成功しているが、値段は一般の中国料理店に比べやや高いにもかかわらず、どの店も客の入りが多い。中国人は日本料理が好きだし、値段がそれほど高くないから人気があるのは当然だろう。また、化粧品は同じアジアの商品が肌に合うという理由で評判が高い。

 日本製のカメラ、ビデオカメラも売れているが、品質がぶっちぎりだとやはり問題なく売れる。車などの高価なものは、ステータスを表す知名度の高いものに人気がある。しかし、パッと見てブランド名が分からないなど効果の薄いものは、質が良くても中国人には高いだけのモノのになってしまうようだ。

 このように、味覚や肌質のように元々中国人に合うものは強みだし、どこにもない品質とか、ステータスを示すブランド品も競争力がある。しかし、単に質が良いとか日本で人気があるとかだけでは売れるとは限らない。もっとも、ユニクロはブランド戦略に加え柳井氏が日本一の金持ちということで一気に知られ人気が上がった。しかし一番の理由は、質の割りに値段が手ごろという、この時代の商品の理想型だからだと思う。


写真) 杭州では、京杭運河を水上バスが走っている。


2009年12月08日

海外生活のススメ(15)  国際結婚

最近、中国へ来ている日本人が中国人と結婚した話をよく耳にする。話題性があるからだろうが、聞くのは歳のいった日本人男性と若い中国人女性という組合せが多い。中国では日本人はまだ金持ちと思われていて、それなりにブランド力があるので結婚し易いという理由もあるのだろう。

しかし、日本人と中国人は、人種、宗教、漢字、主食などの共通点があると思えないほど考え方が違う。にもかかわらず結婚するということは、よほど愛情があるんだと感心する。男女の間には国境など無意味だろうが、外国人という珍しさの魅力もあるのかなと思う。

私は日頃中国人とばかり接して、彼らが何を考えているか分からないと思っているが、たまに日本の若い女性に会うと、かつては得体が知れないと思っていたのに、分かり過ぎてホッとすると同時に味気なさを感じてしまう。老人の前だから自分をさらけ出しているのだろうが、やはり女性は分かり過ぎると面白みがない。

そんなとき、普段は分からないと思っている中国人女性が、反って妙に魅力的に思えたりする。国際結婚をする日本人男性は、こういうときに知りたいという欲求が出てきて惹かれるんだと合点が行った気になったが、間違っていたら教えて欲しい。


写真) 杭州の呉山広場。宋時代の街が現代風に再現されている。



2009年11月25日

海外生活のススメ(13)  中国へ来ている外国人

中国の経済発展に伴い、たくさんの外国人が中国へビジネスや留学目的で来ている。アジアはもちろん、ヨーロッパ、アフリカ、ロシア、アメリカなど世界中から来ており、アジアでは日本人、韓国人、インドネシア人が多く、他ではロシア人、イタリア人などが多い。

こうした外国人の中で、知的レベルが最も高いのはアフリカ人である。一般に後進国からはエリートが多く、日本からはそうでない人が多い。これは日本のエリートが、国内の出世コースにいることを望んで海外に出たがらず、また一流大学生も留学先を先進国と決めているからであろう。

もちろん、こうした考えはとても賢明なのだろうが、従来の成功パターンをなぞっているだけのようにも見える。それに、今の日本が置かれている状況は、日本にいては見えにくく、またアメリカ・ヨーロッパ中心主義でものを見るのは、最早時代に合っていないように思う。

海外は、違う世界を見せてくれるし、その場所だけの発見がある。だから、日本人は一度は海外に出ることを当たり前なことにして、後進国などにも目を向けたが良いと思う。もっとも、その成果が現れて自分が変化するには、たくさんの時間を要するかも知れないが、、、。


写真) 服を借りれば、タイ族の水掛祭りを体験できる。(場所:西双版納)



2009年11月15日

海外生活のススメ(12)  カネに対する価値観

日本人と中国人は考え方がいろいろ違うが、そのひとつにカネに対する価値観がある。日本人は金儲けというとやや卑しいことのように感じるが、中国人はインチキさえしなければ問題なく賞賛する。これは常々、中国人がカネの力を実感しているからだと思う。

日本では、カネのために結婚するのは浅ましく思われがちだが、中国ではとても当たり前のことである。だから、金持ちの男性はモテるし、親が金持ちというのでも構わない。反対に、どんなに女性に優しく色男でも、カネがなければ最後は女性が離れて行く可能性が高い。

もっとも、中国では女性もたいへんで、美人でないとかなり割を食う。例えば美人だと就職のとき能力が低くても採用され結婚の条件も良くなるが、美人でないと就職や結婚の条件が厳しくなる。だが、こうしたことも、元々はカネに対する価値観から来ていると思う。

このように、中国ではカネの力は絶大で、カネが人を動かしている感じがするが、それは長い間貧しい時代があって、人々がカネの大切さを痛いほど知っているからだと思う。それゆえ、中国人の生きるドライブがカネに対する欲求にあるのは、残念な気がしても特に嫌な感じはしない。


写真) 中国ではたくさん蓮の池があり、花の種類も豊富である。 (場所:西双版納)



2009年11月06日

海外生活のススメ(11)  日本企業文化への理解

中国人に日本の企業文化の何を理解してもらいたいかというと、一般に日本人の勤勉さやモノづくりにおけるこだわりなどが挙げられる。しかし、これらを中国人に真似てもらおうと思っても、考え方や文化が違うのでかなり難しい。

中国人は、他の人より勤勉に働くことは損だと思い、モノづくりへのこだわりも待遇に直結しないなら無駄だと考えるからである。だが、こうした考え方は理解し得ないことではない。また、サービス残業など以っての外だし、会社への度を越した忠誠心は信じられないという中国人の感覚も非常に納得が行く。

してみると、日本の労働者はだいぶ損をして、それが会社の利益になっており、逆に中国の労働者は、損も少ないが会社の利益も少なくなっていると言えそうだ。このように日本人と中国人は考え方が大きく違うので、中国人に日本の企業文化を押し付ければ、自分たちを騙してたくさん働かせようとしていると誤解しかねない。

だから、彼らに日本の企業文化について理解を求めることはひとまず置いといて、両者の考え方の違いを認識し、折合うことを考えたが良いだろう。それには、誰でも受け入れることができる理屈を用意した方が良い。


写真) 京杭運河の南端を示す拱宸橋。(場所:杭州)


2009年11月01日

海外生活のススメ(10)  中国の家庭観

日本でも子供の教育に熱心な家庭が多いが、中国ではさらにその程度が激しく、かつ一般的である。中国は人口が多いため、いろんな選抜がまず学歴によりふるいに掛けられる。つまり、学歴がないと競争のスタート台にすら立てない。そのため、子供は小さい頃から良い大学に入るための激しい競争にさらされている。

また、中国では年金制度が不十分なことから、子供が一番の老後の保障手段となっており、親は子供の将来に強く期待し、積極的に教育投資を行う。そして、親は金を出す換わりに、子供のことに口を挟む。他方、子供の方も親が心配してくれることを有難がたがって期待に応えようとし、言うことを聞けば間違いが少ないと考えている。

こうしたことは日本でもよくあることだと思うが、日本のある大手の広告代理店の調査結果によると、「日本では家庭が安息の場となっているのに対し、中国では家庭は自由な活動の場であり、また日本では家族を束ねるはっきりとした軸がないのに対し、中国では家族はお互いが向上するためにあると考えている」という。

この調査結果からすると、中国では家族は自由な関係で、お互いが向上できるような雰囲気があることになる。しかし、日本にも存在する同じような状況が、中国では中身が全然違うとは考えにくい。思うに中国では、学校内での規律が厳しいため相対的に家庭が自由なところとなり、また外部の人との紐帯が弱く、人間関係が家族中心になるからだろう。


写真) 休日の公園には、いろんな楽器を演奏する人がいて、街の人はそれを聞いて楽しむ。

2009年10月25日

海外生活のススメ(9)  決まりの少ない社会

中国へ来て思ったことの一つは、公共のマナー、約束ごとなどインフォーマルな制度が発達していないということだ。日本人は、公共のマナーが悪かったり、約束ごとが守られないとイラつくが、中国人は慣れているのか全く平気みたいで、最初はちょっと驚く。

決まりの多さは社会の成熟度と関連しており、これが少ないと反って自由がなくなるのは中国の様子を見るとよく分かる。しかし、日本人は中国人とは逆に、決まりの多さに慣れ過ぎてしまって、平気になっているのかも知れない。

決まりが多いのは、それだけ他人に対し寛容性がなく従順さを求めていると言えるし、放任されている部分でも、勝手に基準を作って相手に当てはめる傾向さえ生むような気がする。それに、決まりが多いことは、同じような型の人間を作ることに繋がると思う。

中国を見ていると、公共のマナーなどの必要性を感じるが、日本のように微に入り細を穿ち決まりを作って人を大人しくさせるのも、息苦しいだけでなくやや不健全な気がする。寛大な人間だけが格好良く見えるのは、規制の多さを嫌がっている証拠だろうに、日本人はたくさんの決まりの中でリラックスできているのだろうか。


写真)西湖(杭州市)は、他と比べものにならないくらいに整備が行き届いている。  



2009年10月18日

海外生活のススメ(8)  戻るか残るか

中国へ来れば、働いていない場合、日本の年金や保険料の支払いが任意になるし税金もないのでその分出費が減るが、代わりに何の保障もない生活になる。それでも、最初は新生活が始まるので気分も上がるが、保障なしの海外の暮らしは時間が経つに連れ不安が増して来る。

中国語を勉強し、日系企業に現地採用で働いても、安い賃金でしかも短期契約なので将来の見通しは立たない。中国で過ごした時間は、留学経験を含め日本ではあまり評価されないので、ずっと日本で働いていた人と比べ損をする。また、中国で身に付いたのんびりした感覚は、日本に戻ったとき適応を難しくするだけかも知れない。

そこで、ほとんどの人が中国でしばらく生活をしていても、やがて日本復帰を考える。結局、いろんなマイナスを覚悟して日本へ戻るか、何とかして現状を変えるかの選択を迫られることになる。戻るか残るかは海外へ渡れば必ず迎える分岐点であるが、中国の場合は実績をぶら下げられないところが厳しい。

この選択はいずれにせよシビアな現実が待っているので、いい結果を出せた人は立派である。今後も、中国での生活が日本で高く評価されることはあまり期待できないので、中国へ留学に来る人はリスクを覚悟しておいた方が良いが、それもまた面白いと思うならチャレンジして欲しい。


写真)パオの中  羊の肉には、少しミルクの匂いのする内モンゴルの白酒(バイジョー)がとても合う。


2009年10月13日

海外生活のススメ(7)  日本人の特異性

中国で暮らしていると、日本人の特異性、つまり日本人が外国人といろんな点で違っているとことを痛感する。例えば、日本人はいつもペコペコ頭を下げて格好悪いし、他人にも同じ考えであることを求める人が多いし、また中国ということで態度がやや横柄になっている人も少なくない。私は、海外生活をしている人には、そうした小さな日本人さを捨てて欲しいと思う。

しかし、非常に少数意見だと思うが、私は日本人の特異性のうち、「良い人間」ぶるところが最も嫌である。中国に来る前は、あまりそのように思わなかったのだが、中国人が「良い人間」ぶらないことから、日本人への見方が変わった。それに、現在、私は中国人の最大の美徳は「良い人間」ぶらないことだと思っている。

もちろん、中には「良い人間」ぶってる者もいるだろうが、それが感じられず、皆が「良い人間」ぶっていないように見える。これはきっと、ぶっているとしても程度が少ないのだと思う。それが証拠に、このふりが上手い日本人が、しばしば中国人の間でたいへんな人格者だと思われるからである。

これは思うに、日本では「良い人間」が求められていて、そのふりをすることが身に付いてしまっているのだろう。これに対し中国では、そもそも「良い人間」を求めることは無理と考えるので、ぶることがほとんどないのだと思う。もっとも、それゆえ日本人から見れば、中国に「良い人間」はいないように見えてしまうのだが。


写真)洋ラン (場所:昆明市の花市場)



2009年10月07日

海外生活のススメ(6)  駆け引きの世界

中国ではスーパー、コンビニ、飲食店、交通機関等の一部を除き、商品、サービスの価格が売り手と買い手の交渉(駆け引き)により決まる。例えば、ホテルやデパートの専門店でも、普通に交渉が可能である。つまり、いろんな場所で価格が人によって違ってくるのである。だから、交渉を上手くやらないと相場より高く買ったり、安く売ったりすることになる。

価格交渉(駆け引き)では、相手の商品・サービスの弱点を突き、自分が売り手であればいかに優れているか、安いかなどをアピールすることになる。中国人は、小さい頃からこうした環境で育っているので交渉が上手である。こうした経験がない日本人は、最初はどうしても悪い条件で契約してしまう。

それに、契約が約束どおりに履行されるかどうかもかなり不明である。だから、契約内容を確実に履行させようと思えば、まず、その内容を書面化することが欠かせない。些細なことでも文書にしてサインさせた方がよく、そうしないと履行されない可能性がある。口約束は、約束していないのと同じであるぐらいに考えた方がいい。

また、履行段階のチェックも必要である。例えば、契約書に契約内容を詳しく書いても、それが実際に履行されるかは、やらせてみないと分からない。本当は履行能力がなく、契約とは違うようにやって、こちらが良いと言い張ることもある。このように最後まで自分の都合で相手を回そうとするのが中国の常識であり、上手に駆け引きをやったつもりでも逆転を喰らうことがあるので気が抜けない。


写真) 休日は、近所の人が集まって、お寺の中でマージャン、トランプ、将棋などをして楽しむ。(場所:昆明市)


2009年10月02日

海外生活のススメ(5)  引いたら負け

中国では、例えば交通事故で明らかに過失がある場合でも、「自分は悪くない」という顔をしたり、ときには猛然と文句を言ったりする。「ごめんなさい」と言ったら責任が発生するので、先ずは絶対と言ってよいほど謝らない。だから、相手に責任を取らせようと思ったら、何がなんでも自分の言い分をしっかり主張して、引かないことが大事である。

そうすると、相手は落とし所を探す動きに出る。かなり言い合いをした後、やっと解決策を見出すことが始まる。こういうやり方が中国では一般的で、社会全体がそういう仕組みなので、中国人は性質が悪いと見るのは間違っていよう。相撲だったら引いて勝つことがあるが、中国では引いたら必ず負けるというルールなのである。

日本人は、こういう中国式の解決法を理解した上で対処しなければ損をする。とは言っても、日本とは解決法が全然違うので、最初は戸惑うかも知れない。しかし、慣れてくれば何のことはない。人間は結構融通が利くものである。それに、最後はほぼ理屈に合ったところで折り合いが付くのであまり心配は要らない。

ただ、絶対に引かないという原則が、どこでも通用するかは分からない。持ってくるものを持ってこないと、相手にすらしてもらえない場合があるというのはよく聞く話である。中国では、職務に絡んで少し副収入を得るとか2ポケットを持つとかしないと生活が楽にならない人が多い。してみると、日本の公務員や会社員はなんと幸せなのだろう。


写真) 昆明市の通称「外人通り」  留学生が多いので外人向けの店が並ぶ.。


2009年09月20日

海外生活のススメ(3)  海外生活の楽しさ

海外生活で一番楽しいことは、初めて目にするものがたくさんあることだろう。例えば生活習慣の違いで嫌なことでも、自分に被害が及ばなければ面白くもあり、中国は「こんなだよ!」と、たまに日本へ帰ったときに話して楽しんだりできる。

あとは、日本で経験したことがないことに出くわし、考え方や認識が変わったときに、海外はいいなと思う。そういうチャンスが、日本にいるときよりも多いと思う。また、日本でのように、周りの目を気にした生き方をしないで済むことも大きな魅力である。私は、長らく日本の片田舎の閉鎖的なところで暮らしていたので、海外の開放感はたまらないものがある。

勿論、日本人との接触がないわけではない。ただ相手が少ないし、その分付き合いが頻繁になったりもする。その結果、接近し過ぎて反って駄目なこともあるが、良い関係が生まれることもある。また、日本ではなかなか会うことがない種類の人(良くも悪くもだが)と会えたりもする。

日本にいるときより、数は少なくてもさまざまな日本人と会うのはちょっと皮肉なことだが、本当にコミュニケーションができるのはやはり日本人とであり、思いがけない関係が生まれる可能性もある。そういうきっかけがあるのも、海外生活のいいところであろう。


写真) 南京の中心部  周りは飲食店、土産店が多い



2009年09月14日

海外生活のススメ(2) 人を大事にする気持ち

中国ほど人口が多いと、人を大事にする気持ちが低下してしまうような気がする。これは私だけでなく、かなりの中国在住の日本人が実感しているようである。替りの人がいくらでもいるというのもあるが、それだけではないように思う。

都市部ではバスに乗るとき、先を争って乗らないと座れないどころか乗れないこともある。また、スーパーなど列をつくるところでは、間隔を詰めてないと平気で割り込んで来る。こんなことを子供のときからやらされては、他人に優しくしたり気を許すことができなくなるのは当然だろう。

でも、そうした感覚は自分へも向かうのではないかと思う。つまり、あまり価値のない競争をしたり他人への警戒心を抱いたりしている自分が尊い存在だと思えなくなるのではないかという気がする。

中国の都市部の人は、何をするにも競争倍率が高く、ゆったりとした気持ちを持つことが難しい環境の中で生きていると思う。だからこそマナーとかフェアさが必要だと思うのだが、目の前の小さな利益や個人の存在感の希薄さが、そうしたルール化を妨げているように見える。こうした現実を見ると、人は元来、精神的に沢山ゆとりがあり優しいものとは思えなくなる。だからこそ愛情はやはり特別なのであり、また人類が思想や制度などを必要としてきた理由も分かる気がする。


写真) タイ族の踊り (場所:西双版納)



2009年09月09日

海外生活のススメ(1)  反日感情

中国人の反日感情について、日本のマスコミがおどろおどろしい報道をたくさんするので、中国では日本人というだけで恐ろしい目に遭うのではないかと思っている人がいるが、そういうことはまずない。

では、反日感情は全くないかというとそうでもないが、無条件下では他の国の人に比べ少しばかり多く嫌われているというに過ぎない。だから例えば、日本人が客として店でモノを買ってくれるなら、反日感情は消え去る。ただ、一般に金があると思われているから、少し吹っ掛けられる虞があるだけである。反日感情といってもその程度のもので、自分が日本人から少しでも利益を得られれば簡単に引っ込む。

中国では、日本車がたくさん走っている。日本車は質が良く、高級な日本車に乗っていれば金持ちに見られる。だったら日本車はOKである。日本料理店は、たくさんの若い中国人が利用している。あっさりして美味しいからで、ちょっとリッチな気分になれる。だったら日本料理はOKとなる。電気製品、ゲームetc. すべて然りである。

だが、日本人が中国人にとって何か嫌なことをしたら、昔の出来事、苦い歴史が思い起こされ、反日感情に火が付いて大きな問題になる虞はある。だから、気を付けなければならないのは確かだけど、いろんな場面で突然出て来ることはない。いつも日本人に強い反感を持って人が生きられるか考えたら分かる訳で、目の前のことに精一杯なのはどこの国の人も同じであり、マスコミの誇大化した作り話を真に受けないで欲しい。


写真) 雲南の原味ヨーグルト。素朴な味が何とも言えない。


2009年01月19日

日本のソフトクリーム屋さんが上海で人気

 上海の地下鉄のショッピングモールに誕生した日本のソフトクリーム屋さんが人気です。去年(2008年)10月にオープンし、特別な宣伝も行わず季節はずれなのに、売り上げが順調に伸びているそうです。

 店の名前は「ミルン」といいます。牧場ソフトでは日本初の海外出店だそうです。佐賀のヨコオ牧場から牛乳に卵黄、生クリームを混ぜたものを冷凍空輸し、他の原料もすべて日本からの取り寄せで、水を1滴も加えずに作るのだそうです。売り上げが好調なのは、こうした味、品質と価格の安さにあるようです。上海には他にも日本からの進出店がありますが、低品質、高価格であり、安価良品の「ミルン」の評判が上がっています。

 経営者の一人である好永さん(若い女性です)に、今まで何が大変だったかを尋ねました。彼女によると、一番困ったのはアイスを作る機材を日本から持ち込む方法で、最後は日本の貿易会社と物流会社に頼んで上手く行ったそうです。

 今後の計画については、まもなく深センに「ミルン」が原料を提供するソフトクリーム店が誕生するそうです。また、現在の営業許可ではこのモールでの販売しかできませんが、デパートや日本料理店などからの引き合いも多いので、他でも営業できる許可を得て卸したいということでした。

 好永さんのこの店は、彼女の出身地である佐賀の新聞社が記事にしたり商工会で紹介されたりして、地元の冷華業者の間で話題になっているそうです。

 場所等は次のとおり。

 場所        上海 地下鉄2号線 娄山关路駅4号出口 泓鑫时尚广场 地下1階

 営業時間     月曜日 13時~21時30分
            その他 11時30分~21時30分

 休日        正月、旧正月にそれぞれ3日ほど休む以外無休

 メニュー、価格  ソフトクリーム 8元~12元
            ソフトクリームパフェ 15元
            持帰りアイスクリーム 15元    など
            味は、バニラ、チョコ、抹茶があります。


2008年01月31日

千島湖へ行きました

千島湖へ行きました。杭州市街からバスで2時間余りのところにある湖です。川を堰き止めてできた人造湖で、国家の四星級の観光地になっています。杭州の西湖の100倍の広さで、名前のとおり1000個ほどの島があるとても美しい湖です。普通の湖と違って海のように多くの島があり、かつ周囲も山で不思議な感じです。

湖の周辺には、ホテルやリゾートマンション、別荘などもあり、船着場には大小の遊覧船が多数停泊していて、夏場のシーズンの賑いが想像されます。実際にフェリーに乗って島のいくつかを回ったのですが、残念なことにどの島も特色を出すために人工的なものが施されていました。観光スポットにするためでしょうが、安直に人工的にすることが評価を下げないのかとちょっと驚きました。

確かに、中国では例えば杭州の西湖は人工美を徹底追求していて、千島湖はそれがまだ途中なだけかも知れません。しかし、安っぽい人工物はすぐに飽きが来るし、日本でも中途半端に自然をいじった観光地がその後どうなったか、皆さんご存知のとおりです。

ところで最近、中国人の日本への観光旅行が急増していると耳にします。旅先は東京や京都だけでなく、変わった自然の風景があるということで北海道旅行を選ぶ人が増えているようです。中国の観光地を見ていると、中国人が何をいいと感じるか分らなくなりますが、日本への旅行者が増えていると聞くと尋ねてみたい気がします。


2007年10月29日

中国女性のファッション

 私が杭州へ来た当初は、中国の中ではハイレベルな都市にもかかわらず、女性の服装は冴えないかドギツイ感じで、全然おしゃれではありませんでした。我々外国人の服装が、特にどうということのないものでも目立って、すぐに外国人と分かるほどでした。それが僅か5年の間に、特に若い女性の服装は驚異的な変化を見せています。

 これは杭州に限らず、中国の都市部全体のことのようです。5年前、中国の正月番組の歌や踊りを見たとき、服の色や形のセンスの悪さに驚きました。しかし、毎年正月番組を見ていると、年々センスが上がっているのが分かりますし、今は日本と変わらないと思うほどです。中国の経済成長や個人資産・所得の上昇は、住宅や車と女性の服装の変化に現れています。

 若い女性の服装を見ていると、二通りあるようです。一つは中国らしい原色を使ったもので、派手な感じのものです。もう一つは、中国らしくないもので、日本人から見たら落ち着いたおしゃれな感じのものです。私の住んでいる近くのブティックでも、日本人に合いそうな服がたくさん売られています。たぶんこうした服は、外国向けが中国国内でも普及して来ていることや、海外のDVDなどを見てファッションへの関心が高まっていることが影響しているのだと思います。

 女性服は既に高級化する傾向も見られ、日本の高級な服を売りたいという中国人もたくさんいます。一方、ミラノのファッションショーの数日後には、それとそっくりな服が中国からイタリアへ輸出されると言われるほど、コピーすることに遠慮がありません。日本のファッション雑誌も、中国語に翻訳されて安く売られています。このように中国のファッションセンスが上がっていく要素は揃っています。中国の女性がファッションの楽しみを持つようになって、中国がますます身近なものになった気がします。

2007年09月25日

シルク布団(2)

以前、シルク布団の紹介をしましたが、少し補足します。現在、中国から日本へのシルク布団の輸出量はとても少ないそうです。工場見学したシルク布団工場の社長に理由を尋ねました。彼は、「5年ぐらい前から、日本との取引が減った。たぶん日本の不景気が原因だろう」と言いました。しかし、日本の不景気はもっと以前からですから、他にも原因があるのでしょう。

シルク布団をネット販売している中国の大きな会社に電話してみました。この会社は、高級なものから安いものまでラインナップを揃えて売っています。しかし、日本からのオファーはほとんどないと言っていました。理由を尋ねると、中国の業者がかつて粗悪なシルク布団を日本へ大量に売って、すっかりシルク布団の評判を落としてしまったそうです。長引く不況で日本人の購買力が低下していることもあるでしょうが、他方中国の業者の行為でシルク布団そのものに対する評価が下がってしまったようです。

日本では、夏や春秋の暖かい時期は、ほとんど安い化繊の布団を使うのが定着しています。確かに、化繊の布団は適当な硬さがあって、押入れから布団を出し入れするのに便利です。それに対しシルク布団は柔らかすぎて出し入れには不便で、ベッド生活者にしか向きません。しかし、化繊布団はその硬さが寝るときに体との間に隙間を作ってしまいます。シルク布団は、どんな姿勢でも体にピッタリ付いてくるので隙間がほとんどできません。その分暖かいのです。

シルク布団は、その他にもたくさんの優れた面を持っています。たとえば、繊維がとても強いのでほこりが出にくいし、静電気が起こりにくいのでアレルギーの原因になるほこりを寄せ付けないそうです。また、吸湿性と放湿性があるのでサラッとして心地よいし、主成分が人間の皮膚と似ているので肌にとても優しいと言われています。

中国では冬用もシルク布団が使われていますが、日本では冬用はやはり既に定着している羽毛布団にかなわないでしょう。しかし、夏春秋用は化繊の布団よりずっといいと思います。ただ、価格はシルク布団の方が化繊の布団より高いです。見学した工場の製品は、絹100%で1kgの布団が上質のもので1000元弱から1100元、低品質のものが700元弱で販売されています。もちろん日本ではもっと高いでしょうが。写真は、見学会で購入したシルク布団です、薄いピンクが上質のもの、薄いベージュが低品質のものです。
以前にも書きましたが、高品質のシルクは低品質のものより柔らかでつやがあって、きめが細かく同じ重さでも体積が小さくなります。ですから、同じ重さのシルク布団でも、ふんわりしていない方が高品質のものです。

2007年09月09日

義烏へ行きました

義烏へ行きました。いろんな日用品の卸市場が集まった街です。杭州から列車で1~2時間ほどですが、地理的にさほどいい場所ではないし市場も駅から少し距離があって、「何故こんなところに!?」という感じです。

ここの日用品市場は有名ですが、中でも福田市場は売り場面積が100万平メートルを超え、世界一の規模です。この市場には日用品を売る店舗が数万軒入っており、とても1日や2日で回れる広さではありません。しかも、今も閑散としたエリアがあるのに更に拡張される予定であり、中国には適正規模という観念がないのかと疑ってしまいます。

義烏は、地元の住民よりも日用品を買い付けに来る人の数が多いところです。外国人のバイヤーも多く、外国風のレストラン等もあって他の中国の街とは違った雰囲気です。また商人の街で競争が激しいためか、他の都市の商店よりも態度が丁寧で、気分を害するようなマナーの悪さは感じません。

義烏を訪ねたのは、水晶・ガラス製品を買うためです。店や品物によりますが、卸なので数個では売ってくれず、数十個とかのロットでないとダメなものがあります。水晶・ガラス製品を売る店もたくさんあって、店選びがたいへんです。結局、たまたま入った店で買うしかないのですが、それでもいい買い物をした気がしました。店選びが上手く行ったというより、やはりどの店も品物がとても安いからです。

そうはいっても、品物の良し悪しは、あまり分かりません。ガラスと水晶の区別は重さとか冷たさで分りますが、人口水晶と天然水晶の区別は全く不明です。水晶を買うとき、店の人はどれも天然水晶だといいましたが、人工水晶が多いといわれているので全部が天然のはずはありません。結局、値段と店の人の対応で判断するしかないのですが、天然かなと思ったものをいくつか買いました。

義烏へ行きました

義烏へ行きました。いろんな日用品の卸市場が集まった街です。杭州から列車で1~2時間ほどですが、地理的にさほどいい場所ではないし市場も駅から少し距離があって、「何故こんなところに!?」という感じです。

ここの日用品市場は有名ですが、中でも福田市場は売り場面積が100万平メートルを超え、世界一の規模です。この市場には日用品を売る店舗が数万軒入っており、とても1日や2日で回れる広さではありません。しかも、今も閑散としたエリアがあるのに更に拡張される予定であり、中国には適正規模という観念がないのかと疑ってしまいます。

義烏は、地元の住民よりも日用品を買い付けに来る人の数が多いところです。外国人のバイヤーも多く、外国風のレストラン等もあって他の中国の街とは違った雰囲気です。また商人の街で競争が激しいためか、他の都市の商店よりも態度が丁寧で、気分を害するようなマナーの悪さは感じません。

義烏を訪ねたのは、水晶・ガラス製品を買うためです。店や品物によりますが、卸なので数個では売ってくれず、数十個とかのロットでないとダメなものがあります。水晶・ガラス製品を売る店もたくさんあって、店選びがたいへんです。結局、たまたま入った店で買うしかないのですが、それでもいい買い物をした気がしました。店選びが上手く行ったというより、やはりどの店も品物がとても安いからです。

そうはいっても、品物の良し悪しは、あまり分かりません。ガラスと水晶の区別は重さとか冷たさで分りますが、人口水晶と天然水晶の区別は全く不明です。水晶を買うとき、店の人はどれも天然水晶だといいましたが、人工水晶が多いといわれているので全部が天然のはずはありません。結局、値段と店の人の対応で判断するしかないのですが、天然かなと思ったものをいくつか買いました。

2007年03月10日

中国代表の宝石「ヒスイ」

中国へ旅行した人なら誰でも、中国人が石好きなことをご存知だと思います。中国の古い町並みは石で出来ており、名所旧跡には決まって奇岩をあしらった箇所があります。綺麗な石に細工を施した工芸品が高い値で売られており、石のアクセサリーや判子を売る店はいたるところにあります。中国人は、石に対する特別な思いがあるのだと思います。

多くの中国人が石のアクセサリーを身に付けています。最も人気があるのはヒスイで、特に目を引くのはヒスイの腕輪です。ヒスイの腕輪を買うのは、主に中年女性だそうです。確かに緑色の腕輪は、若い女性にはあまり似合いません。しかしヒスイが大好きで、母親や娘にプレゼントするために購入することもあるそうです。

ヒスイの腕輪は、上質のモノはとても値段が高いです。以前当サイトのニュースにあったように、宝石クラスのヒスイの産地は世界中でミャンマーだけで、しかも採掘できる鉱山はほぼ枯渇しており、値上がりを狙って保存されている状態だからです。ここ10年来、ヒスイの価格は国際市場で年率30%上昇し、去年の第3期は約5割上昇したそうです。

高品質のヒスイ、値段は右の10倍
低品質のヒスイ、それでも結構高い
高品質のヒスイ、値段は右の10倍
低品質のヒスイ、それでも結構高い

なぜ、中国の女性はヒスイが好きなのか。一つには、お守りとして身に付けるようです。事故に合ったり病気なったりしないようにというためです。体の悪い気を取ってくれると信じている人もいます。もちろん、オシャレとしての部分もあります。それに、ヒスイが将来値上がりするので、早めに買っておきたいとも考えているようです。

高級なヒスイは、とろけるような光沢があって透明感があります。写真を見比べてもらうと分かると思います。またヒスイは、身に付けているうちにだんだん透き通ってきて緑が鮮やかになってくるのだそうです。つまり、高級なヒスイのようになっていき、価値が上がっていくのだそうです。こうした点も、ヒスイの魅力の一つのようです。

2007年01月28日

シルク工場見学

桑の木
選別

中国最大のシルクの産地である桐郷のシルク布団工場を見学しました。この工場は、中国の大手デパートに製品を卸していて、品質には定評のあるところです。

シルク布団について説明を聞いた後、工場が繭の生産を委託している農家の桑の木を見に行きました。この農家では、農薬を一切使わないで桑の木を育てているそうです。

採繭
蛹は食用や健康補助食品になります

シルク布団を作る工程を見せてもらいました。工程は、ほとんどが手作業で行われています。まず、良い繭と悪い繭を選別します。それから、繭を煮沸させて繭の中から蛹(さなぎ)を取り出します。繭を水の中で一定の形にし、それを乾燥させ加工します。加工した絹を1枚1枚丁寧に拡げて重ねていきます。後は、端を整えて布団生地の中に入れれば出来上がりです。

以前、ニュースでも取り上げましたが、ちゃんとした絹は価格が500グラム150元ぐらいで布団生地が100元以上ですから、1キログラムのシルク布団でも材料費だけで400元程度になります。安価なシルク布団もありますが、見えない部分に綿を使ったり、古い絹(価格は100分の1)を使ったりしているのでしょう。

繭を一定の形にする
天日干し

シルク布団は、シルクが布団生地の中にきちんと納まっていて、ほんの数箇所シルクと布団生地を軽く留めてあるだけです。中のシルクが瘤になったりすることはないからです。また、高品質のシルクは低品質のものより柔らかでつやがあって、きめが細かく同じ重さでも体積が小さくなります。ですから、同じ重さのシルク布団でも、ふんわりしていない方が高品質のものです。

一枚ずつ拡げて重ねる
布団生地の中に入れ込む

2007年01月08日

茅家埠へ行ってきました

茅家埠へ行きました。ここは、西湖のすぐ西側にある小さな村です。村といっても、普通の村とは全然趣が違います。きれいな水と緑に囲まれた景色に中に、白い壁の似たような家が並んでいて、一体何だろうという感じです。

元々は茶を栽培する農家だったらしいですが、今は家を造り直して田舎料理を出すレストランになっています。この村は、杭州の人たちが休日を楽しむ場所(休暇村)で、きょうも車に乗った家族連れがたくさん来ていました。

茅家埠
池と林

茅家埠は、繁華街から車で僅か15分ほどのところです。村に行く間には、いきなり別の場所に入り込んだように静かで大きな森や湖(新しい西湖)があって、それを過ぎると美しい大小の池や林の自然があります。このように、街中からほんの僅か行くだけで光景が一変します。また、この村を過ぎると美しい山林の中に茶畑があって、同じような景色が延々と獅子山の方まで続いています。

杭州というと西湖にばかり眼が行きますが、それだけでなく街とのコントラストや周辺の自然との一体感が、厚みのある魅力を生んでいるのだと思います。長いこと杭州に住んでいますが、確かにここは観光都市として他に負けないだろうという気がします。

茶畑
茶葉博物館

2006年11月19日

紹興へ行きました

久しぶりに紹興へ行きました。紹興は、魯迅、陸遊、王羲之など多くの文化人を生んだ町で、彼らを偲ぶ名所旧跡がたくさんあります。また、古い中国の生活スタイルがあちこちに残っていて、風情のある景色が見られます。

魯迅記念館を見て回りました。町の中心地ということもあるでしょうが、たくさんの観光客で賑わっていました。上海の魯迅博物館もそうですが、魯迅記念館の規模や立派さを見ると、中国が彼を特別に扱っていることが分かります。ただ中国人に話を聞いても、魯迅の国民に対する思いは今も人々に感銘を与えており、最も敬愛されている一人だという気がします。

ゆったりした街の様子
古い布製の看板がなぜか目立つ

紹興の名物は、何といっても紹興酒、乾燥野菜と臭豆腐です。紹興酒と乾燥野菜は、日本人にも全然問題ないですが、臭豆腐は名前のとおりたいへん臭い食べ物で、たいていの日本人にはこの臭いは堪りません。私も中国へ来た当初は、臭豆腐の屋台があるところは避けて通っていました。しかし、食べてみると意外に美味しいもので、食べる前と後のギャップが面白いです。

臭豆腐
紹興は魯迅のふるさと
沈園には、南宋時代の詩人、陸遊と彼の前妻が書いたという詩の碑が立っていて、読んだ人は涙が出るというその悲恋の詩を観光客が歌っていました。また、園内では琵琶を奏でたり古い歌を歌ったりしていて、それなりに紹興の雰囲気を味わえました。中国は今、年々観光ブームになっていて観光地の商業化が進んでいますが、紹興は下手に手を入れないでできるだけ古さを残しておくのが一番いいと思いました。もっとも、地元の人からすればよそ者の我儘でしょうが。
沈園で琵琶を演奏
東湖の烏蓬(うほう)舟

2006年11月04日

杭州四季青服装特色街レポート

杭州の四季青服装特色街へ出掛けました。15の大きな服装の卸・小売市場が集まったところです。中国最大級の市場で、商店の数は約8000軒、1日の客数は平均10万人といわれています。私が行ったところは外貿服飾で、輸出用の商品ばかりを集めた市場です。品物は例によってマガイ物が多いですが、カジュアルなものだったら結構いい物が安く買えます。外貿服飾だけで、1日でも回れない大きさです。

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外貿服飾
四季青服装特色街

杭州やその周辺の都市の大部分の洋品店は、この四季青から品物を仕入れています。朝6時ごろから洋品店の人が商品の買い付けに来ています。売れそうな商品を探して、昼頃に大きな黒い袋に買った品物を詰めて車やバスなどで帰って行きます。こうした光景は日本では見られないもので、街も独特なものがありますが、中国の商売のあり方が何ともシンプルで驚かされます。

こうした四季青に、今大きな変化が起こっています。中国服装仕入れネット(www.buy91.com)ができて、四季青の店がこのサイトに出店してネットで商売をするようになったことです。このサイトは、広州や杭州などの全国の大規模服装市場情報を集めた中国最大の服装ネット市場で、今急成長しています。こうしたネット販売が成功したのは、シンプルで独特な業界背景があったからでしょうが、中国でもネットを使ったビジネスが成功しうる例だと思います。

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市場内の店舗
バッグなどの小物もあります

2006年10月14日

化粧品

中国の女子大生は、就職する頃になるととても綺麗になります。4年生の中頃までは、まだ化粧をする学生は少ないですが、就職先を探したり就職前のインターンの時期になると、綺麗な服を着て化粧を始めるので見違えるようになります。

中国の高級デパートの多くは、玄関を入った正面フロア一帯は化粧品売り場です。大きなデパートだと、海外(日本を含む)の有名化粧品の販売店が幾つも入っています。デパートの一番いい場所は、外国の化粧品売り場が占領しているのです。

ファッション専門店街
デパート入口の看板

最近、中国のニュースサイトを見ていたら、海外ブランドの化粧品の対面販売員になるための求人倍率が、公務員のそれよりも高いと書いてありました。高い固定給に加え、販売額に応じた歩合給もあるので魅力的な職場のようです。

私が4年前に中国へ来たときは、若い女性でもファッションにこだわりがあるようには見えませんでした。髪形も後ろで束ねて結わえただけの簡単なものでした。それがわずかの間に、デパートやファッション街にはお洒落な服が溢れ、高級な美容院もたくさんあって、どこも若い人で溢れています。化粧品店はそれらに比べたら、まだ人はまばらですが、学生がいい就職をするために化粧をするようになっているのを見ると、化粧品会社が高い給料を出していい人材を集めようとしているのが分かる気がします。

高級美容室
デパート1階

2006年09月25日

杭州市シルク市場

久々に杭州のシルク市場に行きました。シルク専門店約300軒が長屋状に軒を並べていて、街自体も独特な感じです。ドレス、スカーフ、下着、パジャマなど浙江省名産の絹製品が売られています。客層は観光客がメインで、地元の人は少ない感じです。また、柄が若者向きでないためか、利用者はやや年配の方が多いようです。
シルク市場
杭州紡績品市場
シルク市場
杭州紡績品市場
この市場にも、やはり偽物の商品がたくさんあって、品質もまちまちです。ただ、本物の外国有名ブランドを売っている店もあって、普通はブランド名のタグが付いていませんが、頼むとちゃんと付けてくれます。正真正銘の良い絹製品を買おうと思ったら、この市場のすぐ近くにある立派なビルに中の店に行くと大丈夫です。
紡績品市場内部
売場
紡績品市場内部
売場
中国の女性に、チャイナドレスは持っているか尋ねたことがあります。しかし、飲食系の女性が着るものという観念があって、普通は購入しないそうです。チャイナドレスは、体型がすっかり分かってしまうので、以前は日本人女性は苦手としていましたが、最近はスタイルが良くなって、若い人はドレスを作って帰る人が多いようです。
売場
仕立てたドレス
売場
仕立てたドレス
シルク市場と道路(鳳起路)を挟んだところに、杭州紡績品市場があります。ここには、衣料品の加工店が集まっています。チャイナドレスは身体に合わせて作るので、シルク市場などで布地を買って、ここで採寸して作ると安く仕上がります。仕立てに要する日数は1週間ぐらいで、加工賃は200元程度です。急ぎであれば、料金を少し弾めばいいと思います。

2006年09月09日

続・洞霄宮里村レポート

村で唯一の産業であるローソクの工場を見せてもらいました。家内工業で常勤は5人と少ないですが、忙しいときは村人が手伝います。私が行ったときも、納品の前日ということで、15人位の人が仕事をしていました。

経営者の項栄根さんに話を伺いました。30代の若い方です。項さんは、4年前に天台市のローソク工場で2週間働いて、すぐに村へ帰ってローソク工場を始めたそうです。最初は経験者を雇ったそうですが、わずか2週間で工場を造るところが中国人らしく、行動の速さに驚かされました。
LEDを使ったローソク 次々に虹色に変化する
ローソクで作った兵馬傭

製品を見せてもらいましたが、この工場で作っているローソクは色や香りを楽しむ癒し系とインテリア用です。いろんな色・形・香りのローソクがあって、中にはLEDを使ったハイテク製品もありました。製品はほとんどがヨーロッパ向けですが、日本向けも少しあるそうです。

項さんの工場は、今は捌き切れないくらい注文が多いそうです。しかし、貿易権を持った中間業者の利幅が大きいため、会社はあまり儲かっていません。でも、項さんは特には残念そうでありません。彼らは売るのが仕事、自分は作るのが仕事で、分業でやっているのだと割り切っています。もっとも、資金が50万元あれば工場を大きくして、たくさんの注文を受けられるのにと思っています。
製品を検査している
製品を作っている(写真を撮らしてくれない許さんの奥さん)

項さんは、中国でビジネスをする環境について意見を述べてくれました。彼は、公務員の関与なしでビジネスができる仕組みを作る必要があると言っています。しかし、そのことについても悲観的には考えていません。自分の子供が大きくなる頃は、今よりも公正になっているだろうし、自分も最初は経営が下手だったが段々上手くなったように、国も運営の仕方が次第に上手くなると信じていると言うのです。こういう点では項さんは性急さがないのか、それとも少し諦めが入っているのか私には分かりませんでした。ただ、笑いながら穏やかな口調で語る彼がとても魅力的に見えました。

 

2006年08月23日

茶葉市場

中国には同種の商品を売る店が軒を連ね、その商品の専門市場ができていますが、龍井茶で有名な杭州市には茶を売る店が立ち並ぶ茶葉市場があります。解放路の浙二医院前から南へ入った通りがその市場ですが、たくさんの茶屋が道路に沿って並んでいます。

売っている茶は、地元の龍井茶がメインですが、他にもたくさん種類があって茶の勉強をしている人によれば中国中の有名な茶が大体揃っているそうです。値段は50グラム10元代からありますが、1000元程度の高級茶もあります。頼めばいろんな茶を試飲させてくれます。70元の龍井茶を試飲させてもらいましたが、香りとまろやかさが違っていました。

ここには農貿市場に似た形態の市場もあります。そこでは、茶の他に茶館で出てくるような木の実なども売っています。土産品街と違って、安くていい茶が手に入ると思います。どの店も(店員が)結構感じがいいし、半日は遊べるところです。

 

2006年08月08日

洞霄宮里村レポート

臨安市青山鎮汪家埠から2キロほど山の方へ行くと、洞霄宮里という村があります。人口200人足らずの小さな村です。この村に行ったのは、農地を失った農民の暮らしぶりを見たかったからです。村の人たちは、かつて汪家埠で農業を営んでいましたが、農地のほとんどが経済開発区に収用されて仕事を失ってしまいました。もちろん、農地の使用権を手放したことで、いくらかの補償を政府から受けました。しかし主な生活手段を失って、これからどうするのだろうと疑問に思っていました。

 

村へ着いてまず驚いたことは、ほとんどの家が結構立派で大きく、建設中という家も数軒あって、生活に困っている感じはないし人々の表情も明るかったことです。許校定さんという方の家にお邪魔しました。許さん宅も大きくて、去年新築したばかりだそうです。奥さんと2人暮らしで、60歳を過ぎて年金生活をしています。ご夫妻とも素朴な人の良い感じで、気持ちよく宿泊と食事の提供をしてくれました。

許さん
許さんの奥さん
許さんの話では、この村の人たちは家のようすの割りには裕福でないようです。家は立派でも、これまでの蓄えを家の建設に使ってしまっているからです。生活の手段を失ったのにと思うのですが、税制が変わり貧しい農民からの税徴収がなくなったことが生活の安心を与えたようです。また、経済開発区ができて自分の子供達が地元で働けるチャンスが生まれたことが、村人に希望を与えているようです。そして、子供と同居しなくても、たまに来る彼らのために部屋を用意して置きたいと考えているそうです。
広いダイニング
青山鎮の景色
もっとも、ほとんどが夫婦2人暮らしなのでいつもは家が無駄に大きいわけで、旅行客が来てくれれば貸したいと思っています。洞霄宮里村は、南宋時代に王の別荘があったところらしく、跡地を見に行きましたが確かに景色のきれいなところです。しかし、都会人に農村生活を体験してもらう型のレジャービジネスは多くの村が考えていることで、競争に勝つには工夫が要るでしょう。農地を失って時間をもてあました農民は昼間からマージャンやトランプに興じていますが、本当はこれからどうしたらいいのか分からないのだろうと思いました。
 

2006年06月16日

昌化鶏血石

鶏血石を見に昌化玉山へ行きました。現物を見たのは初めてです。 鶏血石は名前のとおり鶏の血のような色をしています。この赤い色の成分は水銀で、日に当たると色が変わってしまうそうです。田中角栄が訪中したときに、周恩来からこの石で作った判子をプレゼントされ . たことで有名です。


玉山で鶏血石を加工し販売している 邵誠鑫さんを訪ねました。 邵さんは、美術石の本にも取り上げられるほどの優れた技を持つ工芸師です。彼は原石を見て、その色・形・模様の特徴を最大限生かすよう作品をイメージし彫っていきます。今杭州市で開催されている世界レジャー博覧会にも、彼の作品が展示されているそうです。


彼は書籍を取り出してきて、鶏血石や玉山の状況について詳しく話をしてくれました。 昌化玉山の歴史は古く、 1000年前から石の採掘・加工が行われてきたそうです。鶏血石は玉山の代表的な石で、清王朝の時代には一番身分の高い官吏の帽子を飾る石として使われました。石の種類で位が判断されていたのです。玉山では、ほとんどの人が石の採掘や加工・販売に関わっていて、人々の生活は結構良いようです。ここ 10 年来、中国の好景気により玉山石の工芸品が収集や高価なプレゼントの対象になり、需要が高まっているからです。
邵誠鑫さん
邵さんの作品が紹介されている本

しかし、玉山は今大きな不安を抱えています。まず、ここの石は後 10 年で掘り尽くしてしまうそうです。今も、毎日 1000 人近い人が山に入って採掘をしています。裾野が 50 キロに及ぶ山が一面穴だらけになっています。それだけではありません。 邵 さんは、北京オリンピックが行われる 2008 年までは大丈夫だろうが、その後はこんなに山を破壊すると、採掘が一切禁止される恐れがあると心配しています。村人の中には、すでに他の地域に移り住むことを考えている人もいるようです。

鶏血石の原石(値段は6万元)
作品1 代表作「鬼を捕る酒壺」6千字の経文が彫ってある

邵 さんも、今が正念場と考えています。最近、愛着のあった自分の作品 29 点を、 60 万元で手放しました。理由は、石が全く採れなくなるかも知れないので、今のうちに原石を買い溜めして置きたいからです。しかし、これくらいの金額では、原石でも高価な玉山の石をたくさん買い集めることはできません。そこで彼は、原石購入に投資してくれる人を探しています。石が採れなくなれば、それを加工して売ると何十倍もの利益が見込まれるので、効率の良い確実な投資のはずだと言っています。

作品2 「蝉」
作品3 「田螺」

( 2006.6.7  YM)



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