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2013年10月22日

海外生活のススメ(157)  海外生活をしたい理由

海外生活をしたい理由は人さまざまだろうが、個人的なことを言えば、次のようになる。まず、日本は物価が高過ぎる。東京が世界一の物価高だということは、外国に住めば日本より楽な暮らしができることを示している。(現在、政府はインフレ国家を目指しているが、生活に困らない人の考えとしか思えない。)

 次に思うのは、人付き合いが極度に重視され窮屈なことである。縁故関係や組織内政治力がものをいうので、気配りを大事にしたり、感情の伴わない付き合いを我慢しなければならない。こうしたことは、結局、それ以外のことに価値を認めていない証拠であり、本音で生きたり生き甲斐を見出すことを難しくしている。

また、日本は成熟社会を迎えようとしていると言われるが、平和な社会を作ろうとして、些細なことにも管理を強めており、いたずらに面倒にしている。一方、不合理なことについては、既得権を守ろうと現状維持されることが多い。つまり、変革すべき箇所が違った感じで、そのことが持続的な発展を阻害している。

それでも、日本には海外で暮らしたくないという人が多い。日本に長くいれば、目新しさが消え、倦んだりして、違った生活をしたいという気持ちが起こって来るはずだが、海外が選択肢にならない。それは、海外生活が片道切符で、一旦出たら日本社会への復帰が難しいからだろう。しかし、ゆえに冒険の価値がある。


写真) リサイクル市場  どこからか拾ってきたものを売っている(大連)


2013年10月02日

海外生活のススメ(156)  ある大学生の作文から

中国人の大学生から、「中日の未来のために私たちができること」と題した作文をいただいたので、ご紹介する。


ある日、私は街へ買い物に行き、しばらく歩き回って疲れたので、デパートのいすに座って、休憩していました。そのとき、正面の店で、店主と一人の日本人女性が話しているのが見えました。彼女は、『大きくて、たくさんポケットがあって、淡い色のカバンがありますか?』と日本語で話していました。しかし、店主は日本語がさっぱり分からない様子で、奥からたくさんのカバンを持ってきましたが、彼女が欲しがっているものはありませんでした。店主は気が焦っているようで、汗をかいていました。

それを見ていた私も気持ちがそわそわしてきましたが、心はとても矛盾していました。彼らを助けたいと思う一方、勇気がありません。ずっと『どうしよう?どうしよう?』と思っていました。しかし、私は大学の先生の話を思い出しました。先生はいつも『日本語を勉強するからには、失敗を怖れずに自分の方から話しなさい。」と言っていました。私は勇気を出して二人のそばへ行って、日本語で『何かお手伝いできることはありませんか?』と聞きました。二人はびっくりしたようでしたが、すぐ笑顔になりました。店主はようやくほっとした顔になりました。彼女も欲しかったかばんを買うことができました。

日本人の女性は私に『おかげで、助かりました。将来、あなたは日本と中国の交流のために、役に立つに違いありません。』と言いました。それを聞いて、私は恥ずかしくなりました。また、店主は私に「あなたのように外国語ができる人は社会の役に立ちます。今日はありがとう。』と言いました。私は少し照れながら、『いいえ。』と言いましたが、内心嬉しくてたまりませんでした。

ところで、今、中国と日本は、歴史問題や尖閣諸島をめぐって緊張関係にあります。これらの問題は、たぶん解決にとても時間のかかることであり、また個人ではどうすることもできないことです。しかしそれは、個人として中日関係をどのように捉え、どのように振る舞うかとは、別の問題だと思います。なぜなら、国家としての利害と個人の関心はそもそも一致する必要がないし、国家として立場上できないことについても、個人ならやれることがあると思うからです。つまり、私たちでも何か中日の未来のためにできることはあるはずです。

そういう考えから、私にも一つの夢があります。それは、将来、多くの中国人と日本人が交流してお互いに理解を深められるように、その手助けをすることです。そのために、私は今、日本語を勉強するとともに、中国のことや日本のことを知るように努力しています。もちろん、私ひとりでは、大したことはできませんが、中日関係を良くするために、たとえ買い物の手助けをするような小さなことでも、多くの人がすれば状況が変わってくると思います。だから、一人ひとりが自分の考えを持って実行すればいいのであり、私はそのことを信じて、自分がやりたいことに励みたいと思っています。


写真) 静安区(上海)