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2013年06月21日

海外生活のススメ(149)   格差社会

 中国は、これまでの高度経済成長による歪みが表面化して来ている。そのうちの一つが、所得格差拡大の問題である。所得格差については、一般に勝ち組みは肯定し、負け組みは否定する傾向があるが、中国も同じであり、勝ち組みは人をして勤勉たらしむるには格差が必要であり、それゆえ自分はずっと頑張って来たと言う。

確かに、格差が生じないならば、人は大いに頑張ることはあまりないかも知れない。しかし、そもそも現実の社会は、ゲームのように全く互角の条件で戦っている訳ではない。また、格差が固定化し、格差が格差を生む状況にあっては、成果は必ずしも努力の多寡によるものではなく、逆に格差が競争を阻害していると言える。

 現在、日本は新自由主義を導入し、中国も先富論を掲げ、「まず富める者をつくり、その後に彼らが稼いだ金で貧しい人々を助ける」という政策を採用している。つまり、両国とも所得格差の拡大をある程度容認している。しかしそうなると、競争原理を重視するということで始まるこれらの理論は、妥当性を欠くことになる。

もっとも、格差社会を考えるにはいくつかの視点があり、一概には断じれないだろう。しかし、肝心なのは、そういう状況下で、人が実際にどのように生きているかだと思う。この点日本では、勝ち組は小さな貴族意識が生まれ、彼らは負け組に対し自分の横暴・わがままが許されるべきだと考えており、一方負け組は、そうした現実に気持が萎えているように見える。


写真)  緑が多い杭州市
 

2013年06月08日

海外生活のススメ(148)  品質の問題

 一般に、中国製品の質は、お世辞にも良いとは言えない。日本へ輸出されているものは、日本企業のチェックが入るのであまり問題ないが、中国で売られている物はチェックが緩く質が落ちる。中国の富裕層は、高くても外国製品を買うので中国製品の質の悪さは関係ないし、貧しい人は価格が大事なので、質がほとんど問題とならない。

 どこかの企業が安くて質の良い物を造れば、その製品が売れて粗悪品がなくなる可能性があるが、質の良いものは安く造れない。また、質の問題が少しぐらい表面化しても、他も似たようなものだから、ダメージにならない。このように、質が改まる機会はほとんどないので、粗悪品が社会的に淘汰されずにいつまでも残っている。

 結局、極端な質の悪さで大きな事件にならない限り、どうにもならないのが現実であり、品質が一向に改まらないのは、そうした社会構造があるからに他ならない。もっとも、庶民の所得がもっと増えれば、少々高くとも質の良い商品を買うようになるだろう。しかしその時は、外国製品を求めるようになるだけという気がする。

 では、状況を変える突破口はないものか。私は、東南アジアなどのもっと物価の安い国が、質の良い物を造るようになって、それが中国に大量に入って来ると、中国の製造業者は変わらざるを得ないと思う。しかしそれまでは、国内向けの製品の質が良くなることはないだろう。中国の場合、品質の問題は、普通の常識がほとんど通用しない。


写真)  京杭運河