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海外生活のススメ(146)   確かさのない社会

 今は、政治、経済状況だけでなく社会的、文化的にも先が見えない時代になっている。政治システム、経済原理、科学技術や思想など、ほぼあらゆるものが不確かなものと感じられるようになっており、それだけに何か確かなものを求める動きが強まっているように見える。日本の右傾化も、そうした流れであると思う。

 だが、そうした傾向をほとんど感じなさせないのが中国である。それは、中国の政治システムが、自由主義国家と違っていることもあるだろうが、別の次元でも中国は他の国と違っているように感じる。そもそも中国には、確かなものなどほとんどなく、人々もそういうものは得られないことを知っているように思う。

 例えば、中国は住宅価格が異常に高く、ほとんどの住宅が30年しか持たない安っぽい建築なのに、人々は争って買い、長期ローンを組んで給料の30~50%を返済に充てている。なぜ、このように割に合わないことをするかというと、社会保障が整っておらず、住宅が唯一、財産的な確かさを与えてくれるからである。

 中国人が移民しようとするのも、国がいつまでも安定しているとは考えないからで、仕事に熱心でないのも、いつまでも雇用されるとは思っていないからである。家族の結束が強いのも、他人があまり信用できないためである。このように、確かさが少ない中国社会と、日本みたいに確かさを求め得る社会では、人の考えが違って来るのは当たり前である。


写真)  ハノイ(ベトナム)




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