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2012年04月28日

海外生活のススメ(110)  態度が軟化

中国の日本に対する態度がかなり軟化しており、日本を持ち上げることが多くなっている。このことについては、今年が日中国交正常化 40 周年ということで、お祝いムードを作り出そうとしていると言う人もいるが、そういう一面はあるとしても、大きな理由であるはずがない。

 中国は今、景気後退のおそれが強まっている。表向きは比較的高位の経済成長が続くとしているが、そうした道筋が見えている訳ではない。これまでの安い労働力という人口メリットや改革開放によるメリットが薄れて来ているし、輸出や不動産投資による景気拡大が行き詰まって来ているからだ。

つまり、中所得水準を達成したものの、途上国が発展するときに使えるこれらのカードを、ほぼ全部使ってしまった状況である。したがって、今後、中国が先進国レベルまで到達できるか、いわゆる「中進国の罠」にはまらないかは、経済の構造調整を達成し得るかによるが、それには生産性や技術レベルの低さがネックとなる。

しかも、欧米企業は賃金の高くなった中国を避けて、同じ英語圏のインドに進出する動きを強めている。そうなると、生産性や技術レベルの低さを補うには、日本企業の協力が欠かせないが、折りしも日本企業は円高と国内マーケットの縮小により海外展開を余儀なくされている。ただ、インドやベトナムなどへ進出されては困るので、日本に対し友好的なメッセージを送っている。
 

写真)  清朝の富豪の家屋


2012年04月19日

海外生活のススメ(109)  ぜいたく品

今年中国は、ぜいたく品市場の規模が日本を抜き、「超ぜいたく元年」を迎え、「超ぜいたく時代」に突入する見込みという。最近のアンケート調査によると、中国人消費者がぜいたく品を購入する理由は、①富、地位、個性を表すから、②品質がより確かだから、③自信が高まるからなどが、主な理由となっている。

調査では、今までぜいたく品を購入したことがない人でも、約8割が今後12カ月以内にぜいたく品を購入するつもりだと答えた。また、約半数がぜいたく品を購入するために通常の生活費を削ってもよいと回答しており、ごく一般的な中産階層であっても、成功の証である高級ブランド品を身につけたがるようだ。

しかし、このアンケートの回答には、中国人の見栄っ張りなところが出ている気がするし、貯蓄性向の高さから考えて、いきなり高級品購入が強まるとは信じがたい。また、最近、消費が冷え込んで来ている感じがする。おそらく、不動産価値が下がって含み益が減っていることや、景気の行方に不安を感じる人が増えているからだろう。

こうした中で、ぜいたく品の消費が大きく伸びるとは思えないが、一方では確かにぜいたく品を身につけている人が増えているのを感じる。これは、中国人がモノの良し悪しが分かるようになって来たからだろう。かつて、日本人も生活に余裕ができるとぜいたく品を欲しドップリと嵌ったが、中国人もその点は傾向として似ている。


写真)  春の景色2(杭州市)


2012年04月12日

海外生活のススメ(108)  新自由主義

小泉・竹中新自由主義構造改革が推し進めた労働市場の規制緩和と雇用形態の多様化は、非正規雇用と所得格差を拡大させることを目的とするものであった。それにより賃金コストを引き下げて、企業の国際競争力を引き上げようとしたのだが、結果は短期的な効果に止まった。

しかも、このことは長期的に国民の購買力を落としただけでなく、企業の人的リソースを弱めた。加えて、新自由主義なので民間の経済活動に援助も介入もしないと思いきや、一方で積極財政政策を行うため国債の発行を急増させ、それが今日の日本の財政状況を生む元となった。

もっとも、国民が選挙で彼らを支持したのだから、責任の一端は国民自身にある。しかし、国民もまさかこういう結果を予測し望んだわけではないわけで、政治家や学者を安易に信じたところに不明があった。その後、懲りて支持政党を替えたが、この点について異議はないらしくそのままとなっている。

そもそも、新自由主義という実験的な社会システムを導入したこと自体が、馬鹿げたアメリカ信仰だった。日本人はアメリカ人のように真面目さがひどく違わないのに、所得格差を拡げることに合理性があるのか。新自由主義が、国民にやる気を起こさせたり、社会の公正さを確保できると考えたのだろうか。中国も年々所得格差が開いているが、人々のやる気が増しているとは思えない。


写真) プノンペン(カンボジア)

2012年04月04日

海外生活のススメ(107)  マナー

推測だが、いろんなマナーについて世界で一番うるさいのが日本人で、一番どうでもよく、酷いのが中国人だと思う。日本人で中国人のことが嫌いな人は、たぶんその理由の一番にマナーの酷さを挙げるだろう。マナーの隔たりは、日本人から見たら違いがあるというレベルではなく、唖然としてしまうものが多い。

 中国人のマナーで気になることを挙げたら切りが無いが、例えばバスに乗るときは、席を取るために割り込んで来るし、座席番号があってもテキトウに座る。中での飲食は当たり前で、残ったゴミはその辺に放置するか車外に捨てる。床に痰を吐くし、子供にはバスの中でもゴミ箱に小便をさせる。若い男は彼女を膝に乗せてイイ気になってる。

 バスのテレビは大音量だし、携帯をマナーモードにしている人はいない。それに、皆が大声で話をするので、本を読んだり何か考えに耽ることなどできない。だが、中国人にとっては、こうした状況は、家の中でくつろいでいるのと同じ様子であり、望ましいと考える。他人に気を使って静かにしていると、悪いことを考えている人だと思うらしい。

 中国人のこうしたマナーは、察するに、公私を区別する考えがないからだと思う。公私の区別にうるさい日本人には、中国人の行為は理解し難いし我慢ならない。それでつい、どっちが正しいか、どっちがスタンダードかと考えて日本人がまともだと結論を出してしまいがちだが、実際は置かれた状況如何で、人はどうにでもなるものだということでしかないと思う。どんなに上品に生まれついても、この国に放り込まれたら、それを保つことは難しいように思える。


写真) 春の景色(杭州市)