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2012年03月22日

海外生活のススメ(106) GDP 8倍の実感

日本と中国のGDPを比較すると、2011年はそれぞれ5兆8723億ドルと7兆2960億ドルで、中国が日本の1.24倍となっている。しかし、人口は日本が2010年1億2800万人、中国が2011年13億4100万人だから、一人当たりのGDPで見ると日本人は中国人の約8.4倍である。

平均年収は、2009年の日本と中国はそれぞれ $48,391.14 と$6,430.07で、日本が中国の7.5倍であるが、その後の中国の賃金上昇を考えると、差は少し縮まっていよう。物価の差は、詳しいデータがないので分からないが、住宅を除くと実感では年収の差に近いと思われる。

では、一人当たりのGDPや平均年収が中国の約8.倍であることを前提にすると、平均年収と物価の割合が同じ位で、生活の楽さにそれほど差がないのはどう考えたらよいだろう。日本人の所有物の質が良いとか、中国の住宅が異常に高いことを考え合わせても、やはり納得しがたい。

一人当たりのGDPや平均年収の高さを、日本人が日々の生活の中で実感できるかというと、そうは思えない。その大きな価値はどこに消えてしまっているのだろう。製造業だけを大事にし農業や漁業を見捨てて来たからか、高い円や価値が疑わしい米国債に替わっているのか。


写真)  漢方薬局の漢方医の案内版(中国杭州)

2012年03月13日

海外生活のススメ(105)  観光誘致

日本の自治体等は、中国からの観光客を呼び寄せたいと様々な工夫をしている。中国語の観光HPを作ったり、公式ミニブログを開設したり、中国で観光キャンペーンを行ったりである。しかし、今のところ中国人に人気のある旅行先は、東京と北海道が断トツで他はさほどでもなく、効果は思うほど上がっていない。

 HPへのアクセスが少ないのは、まず中国人は東京、京都、大阪、北海道以外はほとんど地名を知らないから、自治体名で検索することはほとんどない。運よくHPにたどり着いたとしても、ページが中国テイストでなければアウトである。しかも、トップに中国人の興味を惹く内容がなければ、ページを繰られることさえ期待できない。

ミニブログも、同様である。ミニブログは一般に暇つぶしが目的であるから、自治体のは面白みに欠け、そもそも対象になりにくい。また、ミニブログによる宣伝は、一般に「ウザイ」対象として拒否する傾向が強く、宣伝と思ったら見ようとしない。だから、やはりコンテンツを工夫するする必要がある。

 
どんなコンテンツがウケるかは、例えばだが、温泉地であれば旅館を売りますというのは、興味津々にさせ得る。また、日本へ観光する人は中国では成功者であるから、彼らは一流ホテルで日本人と同じサービスを受けるよりも、小さな旅館が「貸切りにして、○○様専用と表示して、日本らしい特別なサービスをします」とした方が喜ぶ。


写真)  ベトナム


2012年03月08日

海外生活のススメ(104)  日本語学習者の減少

韓国で日本語学習者が減り続けているそうだ。理由は、中国の台頭と日本の衰退により、学生の日本語に対する関心が低くなったからで、その上、去年の東日本大震災が追い打ちになったという。だが、こうしたことは韓国に限らず、日本語学習者の多いといわれる中国でも発生している。

中国で日本語学習者が多かったのは、日本が第2次大戦後、敗戦国にもかかわらず奇跡的な経済復興を果たし、日本から学ぶべきことが多いと思われていたからに他ならない。中国の大学の日本語課の中には、天皇制があったから日本は経済復興できたとして、神道を専門に研究したところもあるくらいだ。

しかし現在、韓国と同じ理由により日本語に対する人気が落ちており、学習する学生のレベルも下がっている。また、日本についてあまり学ぶ必要がなく、単に言語だけなら、大学ではなく日本語学校で足りると考える人も増えている。日本語が日本でしか通用しない言語であるため、日本の現状による影響が大きい。

また、中国における日本の印象も、最近大きく変化している。特に若い人の日本への関心は、アニメやオタク文化がほとんどを占めている。確かに、アニメなどについては、その文化的価値や可能性を否定はしないが、日本の良さはそれらに止まらないだろう。何がウケるのか、もっと試してよいように思える。


写真)  魚醤を造るための甕(ベトナム)


2012年03月02日

海外生活のススメ(103)  不動産バブル

日本では、中国が不動産バブルとなっており、バブル崩壊は避けられないという報道が多いようだが、その恐れは少ないと思う。確かに中国の不動産価格は、日本がバブルであったときよりも深刻であり、そのため、昨年から中国政府は購入制限令などにより市場の鎮静化を図っている。

現在、この政策により不動産価格が下落し始めており、市場は様子見の状態である。しかも、近年の市民の購入は大半が投機目的であるため数千万戸が空き家となっており、また建設中の住宅も多数存在するので在庫は増える一方だが、中国政府は当面、制限を緩和しない方針である。

 もし不動産バブルが崩壊し価格が大暴落すれば、デベロッパーや貸手である銀行、借手である不動産所有者が大きな損失を被り、中国経済は立ち直れないほどの痛手を被ることは間違いない。だから、そういう事態は何としても避けたいので、政府は市場の動向に注意を払っている。

 それは当然、バブルが崩壊しそうな状態になれば、購入制限の廃止、金融緩和、都市への財政資金投入などにより、不動産価格下落にストップを掛けるためである。それでも、ある程度の混乱は避けられないだろうが、中国は経済をコントロールできるし、またそれが可能な経済状況、財政状況にある。


写真) カンボジアの子供たち