海外生活のススメ(96) 減税策
2012年、中国は減税により内需拡大を図るという。外需や不動産投資による経済成長が望めなくなっており、内需消費に頼らざるを得ない状況だからである。内需を拡大するには、所得の引き上げという方法もあるが、それでは高金利、元高や外需の落ち込みで苦しんでいる企業をさらに追い込むことになる。
結局、残る手段が減税しかないからである。とはいっても、豊富な税収、国家財政の健全さがあるからこの策が採れるのであって、増税を考えているどこかの国と違って立派なことである。しかし、他の手段が取りざたされないのは何故だろう。やはり、他のいろんな政策がいずれも難しい事情があるのだろう。
内需拡大というと聞こえは良いが、実は内需がひどく落ち込む恐れがある。中国の金持たちは、そのほとんどが不動産投資により儲けたもので、その金持たちは今回の不動産不況でまだその所有する部屋を手放していない。つまり、今後、不動産価格が大きく下がったら、含み資産を失ってしまう可能性がある。
そうなると、不況が更に深刻になる。かといって、不動産購入に対する規制を弱めれば、バブル崩壊へ向けてまっしぐらだ。金利の引き下げ、税金のバラ撒きはインフレを生む。融資規制は民間金利を引き上げ、高利貸が跳梁跋扈し中小企業を圧迫する。新興産業の育成も実現可能性が薄く、打つ手は多くない。
写真) 黄山(中国)