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2012年01月23日

海外生活のススメ(97)  人材誘致

中国は、今、世界中から優秀な頭脳の持ち主を、アメリカ並みの待遇を用意して集めている。確かに、自国民を一流の大学へ留学させ育てるより、どこの国からでも良いから、そういう人を連れて来た方が早い。現代は、外国人であるということはあまり意味のないことだ。

 成功者が自国民である必要がないことをいち早く容認したのは、アメリカである。世界中から優秀な人材を集め、その開発するテクノロジーに多くの国民がぶら下がって生きられるようにするためだ。アメリカは、自由さやドリームを謳いながら、海外の研究者に愛国心を捨てさせて来た。

 それと同じことを、中国がやろうとしている。したがって、日本のようにせっかく自分が開発した技術も、大学、会社や上司に横取りされてしまうのだったら、中国へ行ったが良いと考える人が増えて来るのは当然だ。今後、いい人材がどんどん中国へ来ることになるだろう。

 日本もまだ元気だった頃に、同じことをやれば良かっただろうが、如何せん純血主義を採ってしまった。中国はそうした自惚れたことはせず、非常に現実的だ。ヘッドハンティングが盛んになれば、日本の「国民の教育の質を上げる」という目標は甚だ空しいものになろう。


写真) ホーチミン市中心街(ベトナム)


2012年01月17日

海外生活のススメ(96)  減税策

2012年、中国は減税により内需拡大を図るという。外需や不動産投資による経済成長が望めなくなっており、内需消費に頼らざるを得ない状況だからである。内需を拡大するには、所得の引き上げという方法もあるが、それでは高金利、元高や外需の落ち込みで苦しんでいる企業をさらに追い込むことになる。

 結局、残る手段が減税しかないからである。とはいっても、豊富な税収、国家財政の健全さがあるからこの策が採れるのであって、増税を考えているどこかの国と違って立派なことである。しかし、他の手段が取りざたされないのは何故だろう。やはり、他のいろんな政策がいずれも難しい事情があるのだろう。

 内需拡大というと聞こえは良いが、実は内需がひどく落ち込む恐れがある。中国の金持たちは、そのほとんどが不動産投資により儲けたもので、その金持たちは今回の不動産不況でまだその所有する部屋を手放していない。つまり、今後、不動産価格が大きく下がったら、含み資産を失ってしまう可能性がある。

 そうなると、不況が更に深刻になる。かといって、不動産購入に対する規制を弱めれば、バブル崩壊へ向けてまっしぐらだ。金利の引き下げ、税金のバラ撒きはインフレを生む。融資規制は民間金利を引き上げ、高利貸が跳梁跋扈し中小企業を圧迫する。新興産業の育成も実現可能性が薄く、打つ手は多くない。


写真) 黄山(中国)

2012年01月11日

海外生活のススメ(95)  パクリ

中国では、パクリが横行している。このことは、特に海外メディアがうるさく取り上げているが、最近は中国国内でも「情けない」というような否定的な意見が目立つ。パクリは、大学教授の論文、ハイテク製品の技術、音楽などの著作権物など、あらゆるものに及んでおり、中国自体の特徴のようになっている。

 ひとつには、何かを創造できるような教育がなされておらず、高学歴の人も創造性がないのが普通だからであろう。記憶中心の教育で、記憶力の優れた人が有名大学に入ることができて、大学でも記憶中心の授業がなされる。大学の先生も創造性がないから、学生を育むことができない。

 また、中国はまだ技術等のレベルが低いから、外国の好いものを真似るだけで、中国でトップクラスになれるという現実がある。それだけ、上位の方は競争がない真空状態であり、こうした環境では真似たことがバレなければ一躍一流人になれるので、パクリの誘惑に駆られてしまうのだろう。

 その上、苦労するよりも、楽をして大きな成果を得ることが賢いという考えがあることも、パクリが悪いという意識を弱めている。しかし、こうしたパクリを生み易い環境では、高い技術は出てこないし、パクリも容易に無くならない。そうであれば、物価の上昇によって中国の発展も止まる。新興産業の育成は欠かせない。


写真)  黄山(中国)

2012年01月04日

海外生活のススメ(94)  格差社会

中国は所得格差が問題だと言われているが、他の面でも格差が見られる。例えば、銀行にはVIP専用の窓口があって、一般の人がたくさん順番待ちしていても、彼らはすぐに対応してもらえる。しかも中国では、それが堂々と表示され、すぐ見えるところにあって、格差がごく普通なことであることが分かる。

格差の扱いは、銀行だけに止まらない。レストランにもVIP専用の個室があったりする。しかし、最も格差を感じるのは病院である。中国の病院は日本に比べかなり不衛生で、かつ医療技術、医療機器もかなり劣っている。しかし、それは一般人相手の病院のことで、富裕層用の病院は日本とほとんど変わらない。

中国では、金持ちは鼻持ちならないほど驕っており、カネがあることを示そうとし、一般大衆と違うところを見せたがる。そうなると、金持ちを特別扱いする商法が成立するわけで、一流ブランドの商品、特別待遇が多いのもそれが大きな理由であろう。格差の酷い現実は、中国では欠かせないものなのかも知れない。

これまで日本は格差を嫌い、できるだけ格差のない社会を築こうとして来た。しかし、アメリカ産の経済理論を盲目的に信じた首相もいたし、デフレになって格差が拡がっている。もっとも、中国で格差が人々にやる気を起こさせているかは分からない。しかし、格差が大っぴらで、競争社会であることを感じざるを得ない。


写真) 黄山(中国)