海外生活のススメ(93) 景気判断
中国の物価上昇はこのところ収束気味だが、政府のインフレ抑制策が効を奏したというよりも、不況になったからというのが正しいように思える。12月のPMI速報値は50を割ったままだし、その内訳を見ても新規受注の指数が依然低調であり、景気が低迷していることを表している。なぜ、ここまで景気が悪化するのを放置したか。
物価だけに目が行ったというより、景気判断を誤ったと言うのが正しいように思える。多くの金融機関も景気判断を誤り、金利が更に引き上げられると予測していた。庶民の景気に対する感覚と実際の経済状況は違うとも言われるが、経済数値が出るのが遅れるのは当たり前で、数値に頼った政策はどうしても後手になる。
株価の動きも政策の状況とかなり乖離したものとなっており連日下落が止まず、依然景気の動向に問題ないとする政府のスタンスに対し懸念が強いことを表している。株価の動きが経済の動きに先行するとしても、ここまで景気の悪化を予想した動きになっているのは、そうした政府の景気に対する認識への不安のようにも見える。
つまり、投資家が見ているのは政府の発表した政策内容ではなく、政策を打ち出す前提となる為政者の現状への認識を見ているのであろう。いずれの判断が正しいかは、時間が過ぎないと分からないが、株価の動きが現実に近い感じがする。ともあれ、昨今の状況からして年末、年始にかけ何らかの動きがあることが予想され、結果が興味深い。
写真) ホワイトサンド(ベトナム)