海外生活のススメ(91) インタビュー(1-5)
(浪速産業株式会社の中国事業部主席代表の難波秀基さんにインタビューしました。)
五、今後のことについて、どのようにお考えですか? (つづき)
これからの時代、ますます単体で何かをするのは難しくなるため、会社同士が協力すること(合作)がますます重要になってくると思います。例えば自社の強みが「開発」「製造力」にあるのなら、「販売力」のある会社と付き合っていくという風にです。自社の「強み」「弱み」を冷静に見極めた上で、他社との合作を主導的・計画的に行いながら、且つ自社の進むべき方向性を決定していくことが必要だと思います。
私の事業理念について言わせてもらうと、まず基礎のある事業、安定した事業を確実に立ち上げていきたいです。「基盤がしっかりしたコア部分を基礎として、付加価値を確実に作り上げる」。これは私が事業をやる上での基本方針です。不安定な世界であるからこそ、少々のことでは動揺しない基礎を築いていくことが必要だと思います。目の前の状況の変化に翻弄されないような、5歩先、6歩先を見越して、チェスや将棋のように先手をとって対策を練り、常に明確な方向性、計画性を持つ状態の会社、そんな余裕のある会社を作りたいと思っております。
そして、「会社売上規模を大きくする」ことを目指すよりも「付加価値の高い製品・サービスを少人数のチームで創出する」会社を理想としたいです。それは「ただの理想だ」と思われるかもしれませんが、確かに心から目指したい事業の姿であり、これが健全な事業だと信じております。
現在、浪速産業社内の大部分は私より年上であり先輩にあたる人が多いため、その人たちとうまくやっていくことがポイントだと思っております。現経営陣、社員に対して、「私の考えをみんなに伝える」、逆に「社内における各社員の難所をとらえる」などして、信頼関係を前提にしたコミュニケーションが必要だと思っております。
最終的に各社員が自分のポジションでそれぞれ確信を持った務めをして、お互いに信頼をもって協力し合い、会社全体として堅実な組織を作るのが望みです。
「今やっていること」を標準として自己満足に浸るのではなく、絶えず古い自分の殻から抜け出し、本当の世界を模索していくことが、大切なことだと思っております。
六.最後に一言
前にも述べましたが、中国に来てからある期間の間、私は日本の標準を絶対と考え、中国人を一方的に裁いていましたが、それは間違っていると分かりました。そして次第に、背景や環境が根本的に違っていることに注目していけば、「考え方」「行動パターン」がなぜ日本人と全く違うのかが少しずつ理解できるようになりました。
以前、日本人から「中国人に騙された」という話を聞きましたが、実際は、それは彼らと深く付き合わず、一方的に日本人の立場で物事を見ていたからであり、日本人側にも相応の責任があるケースが多いと思います。
中国人と日本人は多くの点で異なりますが、お互い学ぶところはあると思います。
中国での生活、中国人との現実的な深い交わりを通して、これら二国の異なる点が次々と発見させられましたが、そのことは私が「国(習慣、文化)を超越した、一人間として本当に大切なこととは何なのか」について、より深く考えさせられる貴重な機会となりました。
写真) 難波秀基さん