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海外生活のススメ(90)  インタビュー(1-4)

(浪速産業株式会社の中国事業部主席代表の難波秀基さんにインタビューしました。)

五、今後のことについて、どのようにお考えですか?

 
私は、入社してから大部分は本社から離れた中国で過ごし、中国協力工場との合作を通して「工場生産(委託製造、輸入販売)」に従事してきたのですが、そこで個人としても仕事としても、これまで日本では出来なかったものをたくさん体験しました。これらの新しく得たものを基に、次の展開につなげられればと思っております。

例えば弊社の仕事は、元来、メーカーの下請け、そのまた下請けのようなまわり回ったものが多く、「短納期」「多品種」「少量」「リピート性(安定性)がない」「先の生産計画が不明」の仕事が多かったのですが、中国事業を通じて、「大量生産」「リピート性」「安定性」「計画性」を持った顧客、仕事と出会うことができました。これは高い生産能力(生産設備の多様・豊富性、加工スピードなど大量生産性、低コスト)を持った協力工場があったからこそできたことです。これにより、会社がこれまで求めてもなかなか得られなかった「安定した主要事業軸を構築し育てていく」成長ビジョンを、真剣に考えていくスタートとなりました。

また、メーカーと直接仕事のやりとりをすることによって、これまで下請け業者では見えなかった世界の動向や方向性も生々しく感じ取ることができましたし、「生産・品質管理」面での能力がこれまで以上に問われることになり、会社がステップアップする機会を得ることができました。

そして、何よりも大きいのは会社全体の「社員の意識」や「モチベーションのアップ」、それによる「新しい事業展開」だと思います。これまでの日本の仕事では、会社全体のチームプレーもさほど要求されず、皆が自分のやり方とペースで与えられた仕事だけをやればよかったので、他の社員の仕事に関心を持つ必要もなく、社員間の相乗効果が要求されるような仕事はあまりありませんでした。しかし今回、社内のプロジェクト化によりチームワークが問われ、「計画性のある仕事」、「社員が共通した目標をもって行うチームプレー」、「各社員の役割(責任)の明確化」、「チーム内での報告・連絡・相談のやりとり」、「目標を皆で達成する充実感」など、これまでとは明らかに違う風が吹くことを期待しております。

中小企業にありがちですが、限られた時間の中でひとりが何から何まで(顧客新規開拓、顧客のニーズを伺う、提案、設計、新商品開発、見積り、販売、製図、製造指示、デリバリー、クレーム処理、研究開発)すると、力は分散して薄れてしまい、結果的に仕事が中途半端になり、事業は実りにくいです。これからの時代、チームプレーは欠かせません。特に、浪速産業の社員の皆には「与えられた自分の仕事をただ受動的に真面目にこなす」という考えから脱却して、「一つの目標を設定して、その目標を達成するための手段を自主的、積極的に追求し、モチベーションを持って、他の仲間と手を組んで主動的に働く」の重要性を認識して欲しいと願っております。そこには今までになかった「仲間と同じ目標を達成する喜び・味わい」があると思います。


私が現在考えていることは「中国委託生産を通して、事業の利益を出していく」という短期的な目的よりも、むしろ「中国事業を通じて得ることのできるあらゆる財産を基にして、日本の浪速産業本社を励まし、全体的レベルを高めていき、会社全体を成長させていく」ことが重要であると思っております。
具体的な事業計画について言うと、これまで手がけ育ててきた各事業活動(「自転車ラック(自転車置き場)」、「物流パレット(ガラス,タイヤ,家電積載)」、「ロールフォーミング製品(住宅外断熱材金具)」、「自動車製造ライン内設備」、「仮設機材」、他加工製品)を基にして、より深く掘り下げ、広く新しく展開していくような働きを考えております。

弊社本社工場は従来、高速道路関係の仕事(遮音パネル、遮音パネル支柱、補強柱)を多く加工してきましたが、高速道路関係の仕事は浮き沈みが激しく安定性がないし、高速道路関係以外の仕事についてはお客さんのその場限り(リピート性のない)のオーダーメイドの加工が多いので、会社全体としては安定した仕事が不足しております。よって今後、弊社が目指していくべき方向は「安定した主要事業を確立」し、「各事業を成長・成熟させていく」ことだと思っております。そのためには、社内のポテンシャル(潜在能力) ・クオリティー(質)を向上させていくことが必須です。

現在は、お客様の商品開発の手伝いと製造販売をメインとしておりますが、いつかは自社製品(サービス)を社会へ販売していけたらと思っております。自社の製品がそのままお客さん(ユーザー)の手へ販売される。これは、OEMとは違い、達成感が大きいと思います。
製品の内容についても高付加価値の製品を目指していきたいです。自社が社会の中で何を提供しているかをよく知っていること、「弊社は○○で勝負しております」と自信を持って言える会社を目指したいです。


写真)  難波秀基さん


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