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海外生活のススメ(89)  インタビュー(1-3)

(浪速産業株式会社の中国事業部主席代表の難波秀基さんにインタビューしました。)

四、中国人についてどう思いますか? (つづき)

<言葉に責任がない>
発する言葉に責任感ありません。
多くの場合、十分に検討した上での発言ではなく、その場をしのぐための気軽な発言が多いです。今日言ったことも、明日になると平気で変わるし、でたらめなことを言うことも多いです。言ったことが昨日と違うことを自分も意識しておらず、「昨日と話が違う」と言っても「いや、こうなんだ」と昨日の話がまるでなかったかのように返してきます。言葉に重みがないため、言葉での約束は約束になり得ません。


<心はオープン>
どちらかといえば中国人の心のほうが、日本人よりもオープンだと思います。
日本人は一般的に思っていることを外に出さないで、内に溜めていることが多いため、ストレスがたまり易いですが、中国人は日ごろから、思っていることを外に発散しているので、ストレスもあまり溜まりません。そういう意味では、日本人の方が忍耐強いですが、いつか爆発してしまう危険性があります。


<虚栄心・見栄張り>
20歳代の金持ちの家庭に生まれた子、30歳代で短期間で大金持ちになった「爆发富」やそれらの親からは、特に優越心を感じます。
また他に、虚栄心で身を固めて生きているような人に出会うこともあります。「実」でなく「虚」の世界で自分を騙して生きていると思います。ビジネスでも初めにデカイ話をすることが多いので、どれほど実体があるのか追及することが必要です。


<人情深い>
多くの中国人は人情深いです。
ある時、私は雨の日に車を運転していて、別の車と衝突事故を起こしてしまいました。警察が来るまで、中国人と事故について口喧嘩になりましたが、相手が雨傘を出して、「とりあえず君も入りなさい」と言ったので、自分が少し恥ずかしい気持ちになりました。私は、その喧嘩中、相手を全面的に敵と見ていたのですが、中国人は喧嘩している最中でも人情(優しさ)を持っていました。道理は道理、情は情とちゃんと分けているのです。
また、中国人は喧嘩した後でも、根に持つというのをあまり感じません。日本人は「自分の標準」を強く持っており、それに従う人には優しいですが、それに従わない人に対しては、「裁きを下す」という内なる非道さを持っていることがあります。しかし中国人にはそれを感じません。


<少々のことでは驚かない>
中国は国土が広く、さまざまな人種がいますので、多少変わった人がいても驚きません。
例えば、街の中を後ろ向きで歩いている人がいたとします。日本ならば、「前向きに歩くのが普通」という「常識の標準」があり、それを基準にして「何なの、あれ」と指して話題にします。しかし中国では初め見るには見ますが、「何か理由があるのだろう」と、それ以上は関心を示しません。この世界は、どんなことも、どんな人もあり得ることを心得ているかのようです。 
これは、大陸と島国の違いなのでしょうか。中国人に「小日本」言われるとき不愉快な気持ちになりますが、日本人のそういう「小さい」ところは、確かに中国人に見られていると思います。


<自信過剰で、「自分の知らない世界がある」と考えない>
すぐに、全てを知った気になり、自分に知らない世界があると考えません。
ある工場で、製品製作前に関係者を集め製作注意点を30分かけてしゃべっていると、「もう分かったから、早く終わらないかなあ」と退屈な表情でいました。こちらは、ミスが起こり易い点を述べていたのに、結果は案の定で心配していた問題が発生してしまいました。
「自分は知っている」という傲慢さがあるため、他人の意見や話が耳に入らないのです。
多くの場合、中国人は、口で言っても効果はなく、自分で失敗してもらわないと分からないと思います。だからビジネスの上では、前もってペナルティーをかけておくしかないです。
日本人の場合はたとえ自信があっても「ちなみにこれは私の考えですけど。。。」と自分の考えが間違っている可能性があることも想定して、絶対的な言い方はしません。この謙虚さはすばらしいと思います。


<「理論」ばかりが先走って「実際」がついて行かない>
この現象は、今の若者(20歳代)によく見られます。
例えば沖縄というと、私の接した多くの中国人の友達は、海の美しさ、沖縄の料理、沖縄の生活などをいくつも挙げて、まるで自分が体験したかのように語るのですが、「沖縄に行ったのか」と聞くと「ネットのブログ紹介で読んだから沖縄を知っている」と言うのです。これは「沖縄について読んだ」であり、「沖縄を知っている」ではありません。読めば既に知った気になるのです。
中国人の「知識の多さ」、「カテゴリー(話題)の広さ」、「系統化」には、毎回感心させられます。
しかし、ネットが発達し情報が飛び交う中で、「理論」が「実際」にすり替わる現象は、非常に危険だと思います。「既に知った気になっている」のが何より怖いと思います。中国だけでなく、現代社会全体の問題かもしれませんが。
中国は急速に発展し、外国から新しいものが入ってきたため、成長期の日本みたいに試行錯誤(trial and error)の過程を経ておらず、情報を十分に消化しきれないでいることが背景にあると思います。


<臨機応変、適応能力がある>
中国人は臨機応変で適応性があります。
日本人は規則どおりに動くことが得意ですが、いったん環境が変化すると、すぐに対応することができません。中国は変化が激しく不安定であり、常に臨機応変に対応することが求められます。変化する環境の中で、臨機応変に適応する能力は高いと思います。
車の運転を見ても分かるように、日本では自分の車線を守って走りますが、中国では車線変更が当たり前です。
また中国人はいかに「合理的に」、「ラクに」を考えています。
日本人は「ただ真面目にやることを美徳とする思想」が残っているようですが、「モノを造れば売れる社会」から「ニーズに対応するグローバル社会」に転換したら、その思想は不利だと思います。
一般に中国企業は商品開発力が弱いと言われていますが、当社の技術者がどうしてもできなかった商品を、一中国人スタッフが開発したことがあります。中国人の考えには柔軟さがあります。もちろん完全にオリジナル開発ではありませんが、臨機応変に組み合わせて商品を開発する点においては、中国人は日本人よりも優れているのではないかと思います。


写真) 難波秀基さん



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