« 海外生活のススメ(87)   景気判断 | メイン | 海外生活のススメ(89)  インタビュー(1-3) »

海外生活のススメ(88)  インタビュー(1-2)

(浪速産業株式会社の中国事業部主席代表の難波秀基さんにインタビューしました。)

四、中国人について、どう思いますか?

中国人といっても、香港、台湾、中国大陸ではそれぞれ性格が違っており、また文化大革命前と今とでも違うのではないかと思いますが、ここでは「中国大陸の現代人」について意見を述べます。
中国人については、非常に多くの思いがあり、表し切れないほどです。ある本に、中国について「又古老而又年轻的国家(古い歴史をもちながら、尚且つ、年が若い国)」という表現がありますが、中国大陸の人からも同じように「奥深く、でも幼稚な人間」という印象を受けます。
一方、長年中国で生活し中国人と身近に接してきて、彼らとの間で幾度も衝突や挫折があり、そのことを通して、日本人と中国人の違いや「国を越えた人間」について考えさせられました。


<自分の「目的」がはっきりしている>
中国人は何を行うにも、自分の目的がはっきりしています。「自分はこうしたいんだ」「これが欲しいんだ」ということが自分の中ではっきりしているため、その目標を達成すべくありとあらゆる手段を模索し、人とできる限り交渉・相談します。ただ、日本人から見ると控えめさがなく、少し強引で厚かましい印象を受ける時があります。
一方、日本人に対して時々感じることですが、「思っていることをしゃべらないで流れに任せており、いったい何をしたいのだろう」という印象を受けることがあります。何か物事が発生したら口を開くのだけれども、基本は受動的で「自分のしたいことを相手が分かるのを待っている」という印象を受けます。しかし、主動的に動かないと、自分の本当にしたいことが分からず、それができなくなる可能性もあります。中国は日本のように「相手に分かってもらう」文化ではなく、「自分の考えを分からせる」文化なので、彼らは声が大きく、「私の考えを聞きなさい」という風に積極的です。
中国人の目を見ても「目的がはっきりしている」のを感じます。目的の正当性はさておき、「目的が自分の中ではっきりした上での主動的な手段の実行性」は少なくとも学ぶものがあると思います。


<戦略的である>
孫子兵法(戦略・戦術が書かれた兵法書)を読んだのですが、その中に書かれている戦略・戦術、たとえば「勝ち目のない戦は初めからするな」などの戦略・戦術が、ビジネスなどの競争社会の中で生活していない一般人たちも、はじめから身についていると思います。日本人は「ついかっとなって勝ち目のない戦さに手を出す」ことがあると思います。
中国人は「自分が何をGETして行くか」「そのためにどんな手順を踏んで行くべきか」、また「損得勘定」を自分の中でかなり冷静に考えているのではないかと思います。


<本筋・系統・要点をうまく捉える>
中国人は本筋、要点を捉え、カテゴリー分け(系統化)をするのが非常に得意だと思います。例えば、ある話題を出すと、その話題がどのカテゴリー(系統)に属しているか?ルーツ(根源)はどこにあるのか?をすぐ見分けられる人が多いです。
また、相手の「要点を瞬時に掴み」、自分の「要点を端的に述べる」のが得意であり、これは中国文化の特徴だと思います。「根→幹→枝→葉」の筋整理が上手く、これは「中国人の目的がはっきりしていること」とも深い関係があると思います。
「日本人には目的がない」ということではありませんが、とりあえず当てもない世間話をしながら、その中で自然発生的に生まれる情の通じ合いを大切にする傾向があり、方向性は確かに不明確になりがちなのではないかと思います。
中国の国家主席が今後の5、10年の計画を国民代表に話しているのを目にしますが、ある意味、これはとても大切なことだと思います。
中国人との交わりを通して、「目的」「実質」「要点」など、「思考の仕方」を学びました。


<協調性はなく個人主義>
日本人は協調性があり、常に「自分は組織の一部に過ぎない」という意識を持って行動していますが、中国人は基本、自分中心で行動します。中国人は海の砂のようだと言われており、「人は多いが、団結しようとしても、砂のようにバラバラに散らばってしまう」という感じです。
組織で何かを達成しようとする日本人に対して、中国人は「自分の身は自分で守っていかなければならない」という意識が根本にあり、基本的に個人プレーです。そういう意識が身についており(そうならざるを得なかった歴史があって)、手段も個人的です。中国人が言う「朋友(友達)、朋友(友達)」も、自分の身を守り、自分の目的を達成するための一つの手段であり、お互いに利用し合って共に目的を達成する関係(two win、合作)だと思います。
また、日本では社員皆で会社を支える意識が強いですが、中国ではあくまで個人主義で自分が客や生産手段を握れば、独立して起業するケースも少なくありません。これは収入の差も原因としてあると思いますが。
社会でも基本的にお互いを信用せず(“亲戚(親戚)”は除く)、皆が自己中で順番や秩序を守らない人が多く、元々お人好しな人も自分を守る姿勢になっています。


<間違いを素直に認めない>
先ほど、「中国人は自分の身を守る」ということを述べましたが、それから派生することとして「間違いを素直に認めない」というのがあります。間違いを素直に認めた上で「ごめんなさい」と謝る人に、あまり出会ったことがありません。
業務の中である問題を発見したとき、中国人は間違いがどこにあったのかを追及せずに、発生した経緯・理由を長々と述べるのですが、真相に辿り着くのにとても時間がかかることがあります。こちらが、真相究明しようとすると、まず自分の誤りを隠した上で理由を述べ、自分の正当性を主張します。初めのミスを隠すために、次の嘘をつく。しかし辻褄が合わないので、そのことを追求すると、また新たな嘘をつくというように「嘘」の上に「嘘」を重ねていくので、なかなか真相に辿り着けないのです。
工場の中で、品質クレームの追求をする際、多くの場合は現場担当者レベルだけが真相を知っていて、現場リーダー(管理者)にも隠していることが多いです。事務所の課長、経理、老板は、問題が発生していることすらほとんど知りません。
「自分の正当性を守る」ために、嘘をつく。しかも嘘をついている本人は「嘘をついている認識」がなく「そうしないといけない」と思っているらしいです。聞いた話によると、歴史的な背景があって、間違いを認めると全責任を取らされるので、それを恐れているらしいです。
実際、間違いをその場で素直に認めることが、自分の将来的な向上に繋がると思うのですが、これらの事件に出会うと、いつも非常に残念な気持ちになります。


写真) 難波秀基さん



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://hzinfos.com/cgi_bin/mt/mt-tb.cgi/153

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)