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2011年08月21日

海外生活のススメ(81)  海外移住

以前も触れたことだが、中国では海外移住に対する関心が非常に高い。理由は、子供の教育の問題、老後の保障がないこと、築いた財産を政変などで失うことの不安など、さまざまだ。日本では海外移住に対する関心が低いが、中国人のような心配をする必要性がないので、それだけ関心が低いのかも知れない。

 中国人の移住希望先は、主に北アメリカ、オセアニア、東南アジアの中の豊かで文化度の高い国が多い。日本では、かつての移民の状況から、海外移住に対して喰いっぱぐれた人がするものだという認識があるように思う。しかし、中国では、海外移住はむしろ成功者の証であり、特権である。何故このように違いがあるのか。

 そもそも海外移住は、国難等によって仕方なくという場合がほとんどだろう。しかし、日本では満州開拓移民を除き、人々が国を出るほどの政治的変化はなく、経済的にも窮したことが稀で、移住の必要が少なかった。また、陸続きの国の人は、他国への移動がさほど特別なことでないのに対し、日本人にとっては異常なことだった。

 それに、今も日本は世界一住み良い平和な国なので、海外移住には関心を持ち難いだろう。しかし、中国人のように教育や老後のことなど考える必要がなくても、国際化が進んでいる今日、自国の経験しかないことは、やがていろんな面で後れを取ることになる気がする。また、本当は先が見えない時代であり、海外移住を保険やひとつの財産のように考えてもよいだろう。


写真)  タージマハル アーグラ(インド)



2011年08月16日

海外生活のススメ(80)  これからの産業

6月の購買担当者景気指数(PMI)速報値は48.9となり、景況判断の分かれ目となる50を下回った(中国物流購買連合会発表の7月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.7)。また、企業の第2四半期の決算予想を見ても、業績の上方修正するところより下方修正するところの方が多く、明らかに景気が後退している。今後、中国の景気の動向は、諸外国にとっても、関心あるところだろう。

一方、インフレ率は相変わらず高位にあり、下半期下降するとの見方が多いが、予断を許さない状況にあることは間違いない。インフレ対策として金融の引き締めを行ったが、余り効果がない上に、中小企業の資金繰りの悪化を招いている。このままでは、倒産する中小零細企業が急増して、失業者が増える可能性が高い。

こうしたことから、中国政府はいろんな国家戦略や財政政策を考えているが、成果が期待できるものはたぶん少ない。戦略的新興産業といっても有力な技術があるとは聞かないし、産業構造の調整は痛みが伴うので徹底し辛いし、不動産開発は野放しにできない状態であり、高速鉄道建設は事故でペースを落とすしかない。

結局、保障性住宅の建設や今年の中央1号文書である水利事業、環境対策、中国が優位性を持つレアアース、レアメタル生産などの一部の業種だけが楽観視できるだけである。特に水利事業は、食糧確保のために必要性・緊急性が高いし、インフレ対策や雇用対策、所得格差是正の点からも、最重点事業となって行くだろう。


写真)  インドの結婚式



2011年08月01日

海外生活のススメ(79)  イノベーション力

中国で一番の経済問題は、イノベーション力がないことだろう。このことは、中国の産業全般について言えるが、かつて四大発明を行い、最も進歩的だった国とは思えないほどの変わり様である。なぜ、このようになったかは、中国人を見ていると、一度頂点を極めて、傲慢になってしまったからだと思う。

 イノベーション力のなさは、正にそのビジネス観に現れている。中国人にとってビジネスとは、投資をすること、モノを右から左に流すこと、他を真似して造ること、人を言いくるめて相手に悪い条件を呑ますことである。全てが簡単に金儲けをする手段であり、イノベーションはどこにも必要とされない。

 これは、やはり今の教育制度にも問題があるのだろう。中国の教育は、知識を詰め込むだけで、何か新しいものを生み出すことを目指していない。記憶により高い点数を取り、有名大学に入って良いところに就職することが、人々の目標になっている。これでは、イノベーション力のある人材が育つはずがない。

 中国は、日本を抜いて、世界2位の経済大国になった。しかし、これはWTOへの加入、先進国の技術を導入したこと、安い労働力、不動産投資及びそれらを利用すべくリードした政治の力によるものである。今後、国民がイノベーションの必要性を理解するか、あるいは政治が国民をそのように誘導出来なければ、これ以上の発展はないだろう。


写真) 風の宮殿 ジャイブル(インド)