海外生活のススメ(81) 海外移住
以前も触れたことだが、中国では海外移住に対する関心が非常に高い。理由は、子供の教育の問題、老後の保障がないこと、築いた財産を政変などで失うことの不安など、さまざまだ。日本では海外移住に対する関心が低いが、中国人のような心配をする必要性がないので、それだけ関心が低いのかも知れない。
中国人の移住希望先は、主に北アメリカ、オセアニア、東南アジアの中の豊かで文化度の高い国が多い。日本では、かつての移民の状況から、海外移住に対して喰いっぱぐれた人がするものだという認識があるように思う。しかし、中国では、海外移住はむしろ成功者の証であり、特権である。何故このように違いがあるのか。
そもそも海外移住は、国難等によって仕方なくという場合がほとんどだろう。しかし、日本では満州開拓移民を除き、人々が国を出るほどの政治的変化はなく、経済的にも窮したことが稀で、移住の必要が少なかった。また、陸続きの国の人は、他国への移動がさほど特別なことでないのに対し、日本人にとっては異常なことだった。
それに、今も日本は世界一住み良い平和な国なので、海外移住には関心を持ち難いだろう。しかし、中国人のように教育や老後のことなど考える必要がなくても、国際化が進んでいる今日、自国の経験しかないことは、やがていろんな面で後れを取ることになる気がする。また、本当は先が見えない時代であり、海外移住を保険やひとつの財産のように考えてもよいだろう。
写真) タージマハル アーグラ(インド)