海外生活のススメ(69) 従順さ
中国の政策を見ていると、政府が国民の反応をかなり意識していることが分かる。国民が政府の行為をどう受け止めるかが、結構政府の方針の決め手となっているのである。日本の政治決定は国民の意識とかけ離れたものが多いが、中国の政治は国民の反応を考えるので、選挙制度は未整備でもそれなりに民意が反映される。
一方、中国には「上に政策あり下に対策あり」という言葉があり、政治の不備を突くのが国民の知恵だという考えがある。もっとも、実際には彼らの行う対策は、あまり褒められたものでないのが多いが、そういう気概は持って良いだろう。日本は官製不況に対して、時には国民にそれを拒む行動があってよいと思う。
ところで、中国では今回の東日本の地震で、非常時にも拘らず日本人が身勝手なことをしないで秩序が保たれていることを感心する声が多い。たぶん中国であれば我先にと急いで、より大きな混乱を引き起こしそうな気がする。中国人は、自分と関係がない人に対して遠慮しないし、秩序を保つという意識が薄いからだ。
日本人は他人に遠慮し、一体に従順である。災害など国難、緊急事態の場合は、このキャラがプラスに働く。しかし、通常は遠慮・従順さは、思考停止あるいは保身に繋がり、弊制が改まらない。つまり、このキャラはあまり良くない。今回の地震は、日本人に様々な難題を課すことになった。これをどう乗り越えるか、中国人も注目している。
写真) ハロン湾の水上生活者。豊かな暮らしではないだろうが、楽しそうにしている。(ベトナム)