海外生活のススメ(71) 中国の経済状況(1)
今、世界の経済は、アメリカが国債購入による量的緩和策を採ったことでインフレ傾向が強まり、通貨安競争という状況になっている。然るに、当のアメリカはドルを世界中にばら撒いてインフレ率が低く、かつ景気回復が鈍って来ていることから、出口戦略に踏み切れないでおり、世界的なインフレ不況の可能性が高まっている。
このため、中国でもインフレ対策を経済政策の最重要課題としている。中国にとって、インフレを抑制するには、まず外貨(ドル)が増えることを防ぐことである。それゆえ、ホットマネーの流入を防ぐべく管理を強め、また輸出を減らし、輸入を増やし、海外投資を増やすなどして、元の先高感をなくしている。
また、中央銀行は去年から何度か公定歩合を引き上げたり、預金準備率を引き上げている。これは市場にダブついている元を吸い上げためであるが、元の価値が上がるから高金利を求めたドルの流入を招く恐れもある。為替レートの引き上げはインフレ抑制に最も有効だが、製造業者へのダメージが大きいため、少しずつ元高を容認している。
一方、インフレは景気を減速させるので、内需拡大による経済成長を図るため、不動産価格の上昇を防ぎながら、労働賃金を引き上げている。しかし、賃金の引き上げは、企業収益を圧迫する。したがって、企業がインフレ下でも収益を上げられる体制を構築できるかに掛かっているが、技術力の低さがネックになっている。
写真) ハノイのバイクタクシーの運転手たち。午後の暇な時間帯は、歩道で同業者とお茶を飲みながら過ごす(ベトナム)。