« 2011年03月 | メイン | 2011年05月 »

2011年04月22日

海外生活のススメ(71)  中国の経済状況(1)

今、世界の経済は、アメリカが国債購入による量的緩和策を採ったことでインフレ傾向が強まり、通貨安競争という状況になっている。然るに、当のアメリカはドルを世界中にばら撒いてインフレ率が低く、かつ景気回復が鈍って来ていることから、出口戦略に踏み切れないでおり、世界的なインフレ不況の可能性が高まっている。

 このため、中国でもインフレ対策を経済政策の最重要課題としている。中国にとって、インフレを抑制するには、まず外貨(ドル)が増えることを防ぐことである。それゆえ、ホットマネーの流入を防ぐべく管理を強め、また輸出を減らし、輸入を増やし、海外投資を増やすなどして、元の先高感をなくしている。

 また、中央銀行は去年から何度か公定歩合を引き上げたり、預金準備率を引き上げている。これは市場にダブついている元を吸い上げためであるが、元の価値が上がるから高金利を求めたドルの流入を招く恐れもある。為替レートの引き上げはインフレ抑制に最も有効だが、製造業者へのダメージが大きいため、少しずつ元高を容認している。

一方、インフレは景気を減速させるので、内需拡大による経済成長を図るため、不動産価格の上昇を防ぎながら、労働賃金を引き上げている。しかし、賃金の引き上げは、企業収益を圧迫する。したがって、企業がインフレ下でも収益を上げられる体制を構築できるかに掛かっているが、技術力の低さがネックになっている。


写真)  ハノイのバイクタクシーの運転手たち。午後の暇な時間帯は、歩道で同業者とお茶を飲みながら過ごす(ベトナム)。



2011年04月10日

海外生活のススメ(70)  再就職

定年後の再就職は、多くのサラリーマンにとって、とても関心のあることだろう。60前後で定年退職してもまだ働き口があれば、年金を貰うまで蓄えや退職金を減らさないで済むし、その後の生活が楽になるからだ。しかし、それは元々、いろんな条件を前提にした話でしかない。

日本は年金財政が危うくなって来てるし、新興国の食糧・資源物の需要増大や先進国の金融政策等を考えると、今後、世界的なインフレになることが予想される。だから、年金受給まで働ければよいということではなくなって来るのだが、日本人と話をすると、ほとんどの人が再就職や年金のことしか頭にない。

年金が当てにならず、しかもインフレになるならば、たくさんの蓄えがない限り、死ぬまで仕事をしなければならなくなる。つまり、再就職ができるように、真面目に働いて、できるだけ出世しておくというスタイルは、これからはあまり意味がない。それよりも、生きている間中、働けるように準備することの方が大事だろう。

「出世」「再就職」「年金」という言葉が、空しい響きを持つ時代になって来た。老人になって体力が衰えても続けられることで、自分の興味が尽きないものを身につけておく必要がある。そのためには、若いうちから準備しておかないと間に合わないし、また長年染み付いたものから抜け出すには、想像以上に時間が掛かる。


写真)  サツマイモのデザート(ベトナム料理)



2011年04月02日

海外生活のススメ(69)  従順さ

中国の政策を見ていると、政府が国民の反応をかなり意識していることが分かる。国民が政府の行為をどう受け止めるかが、結構政府の方針の決め手となっているのである。日本の政治決定は国民の意識とかけ離れたものが多いが、中国の政治は国民の反応を考えるので、選挙制度は未整備でもそれなりに民意が反映される。

一方、中国には「上に政策あり下に対策あり」という言葉があり、政治の不備を突くのが国民の知恵だという考えがある。もっとも、実際には彼らの行う対策は、あまり褒められたものでないのが多いが、そういう気概は持って良いだろう。日本は官製不況に対して、時には国民にそれを拒む行動があってよいと思う。

ところで、中国では今回の東日本の地震で、非常時にも拘らず日本人が身勝手なことをしないで秩序が保たれていることを感心する声が多い。たぶん中国であれば我先にと急いで、より大きな混乱を引き起こしそうな気がする。中国人は、自分と関係がない人に対して遠慮しないし、秩序を保つという意識が薄いからだ。

日本人は他人に遠慮し、一体に従順である。災害など国難、緊急事態の場合は、このキャラがプラスに働く。しかし、通常は遠慮・従順さは、思考停止あるいは保身に繋がり、弊制が改まらない。つまり、このキャラはあまり良くない。今回の地震は、日本人に様々な難題を課すことになった。これをどう乗り越えるか、中国人も注目している。


写真) ハロン湾の水上生活者。豊かな暮らしではないだろうが、楽しそうにしている。(ベトナム)