海外生活のススメ(68) 留学熱
今、中国では留学する人がとても多い。政府高官の子女は高校から留学して、留学先は欧米が多い。有名な大学の先生の子供も留学するが、その場合は大学からの留学が普通である。やはり費用が高いので、先生の給料ではそれが限度なのだろう。金持ちの子供は勿論たくさん留学する。小金持ちも、子供の将来のためならと、出費を厭わない。
中国は学歴社会であり、院卒という「箔」はそれなりの価値を持っている。だから、日本の大学院へも留学希望者が多い。しかし、留学の目的は何かを研究したいというより、肩書きが欲しいからというものが多い。特に今は、日本の大学もウェルカム・ウェルカムで間口が広くなっているから、お互いに都合のよい関係にある。
こうした状況から、最近中国では、留学斡旋の新しいビジネスが生まれている。日本へ留学を希望する学生に、そのレベルに合った20ぐらいの大学からいくつか選ばせ、研究員になることを100%保証するというものである。研究計画書も代わりに書いてくれるし、カネさえ出せばよいし、学生もこうした手段を使うことにためらいはない。
これに対しては、学習の本当の満足を経験していないから、こんなやり方をするのであって、留学しても成果が上がらないだろうという批判はあるだろう。しかし、そもそも中国の留学熱は、人口が多いので他人に少しでも差をつけたいとするところから来ており、人口数が人の生き方を規定している一例であると思う。
写真) 国際商貿城(義鳥)