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2011年02月22日

海外生活のススメ(65)  敬語

中国人から日本社会の特徴は何かと尋ねられることがある。そんなとき、「人によって考え方が違うだろうが、私は敬語を使っていることだと思う」と答えている。しかし、中国にはほとんど敬語がないので、彼らは日本人が敬語を使う理由がよく分からない。そこで、敬語の良い面、悪い面を挙げて説明するのだが、中国人の反応は敬語が面倒だと思うようだ。

敬語の良い面は、人間関係を円滑にすることだろう。敬語は、相手が自分より上で、それを認識していることを伝えるものだから、言われた方は悪い気がしない。そうすると、人は一般に親切心などが起こって物事が上手く運ぶ。また、敬語を使われる側は気分が良いから、早く立派になろうなどという動機になり得る。

しかし、敬語にはマイナス面もある。敬語は人の序列化を前提としており、身分や職業などによって敬語の度合いが決定される。それゆえ、実際に相手がその度合いに相当する場合は問題がないが、そうでない場合は精神的苦痛が伴い、その上、見下した言葉を使われたときはとても嫌な気持になる。

また、敬語は上下関係を必要以上に認識させて、単なる礼儀の域に止まらず不要な遠慮を生み、上の者の良くないことも下の者が批判しにくくする。敬語の使い方ひとつで人が評価されたりしてしまうこともあり、本来、敬語は管理社会を作るための道具でしかないと思うのに、日本人の良さから考えたりする人もいるから厄介だ。


写真) ハロン湾(ベトナム)



2011年02月12日

海外生活のススメ(64)  食品価格の上昇

現在、世界的な異常気象による農作物の不作や投機行為によって食糧価格が上昇している。ある人の話によると、今後、食糧が供給過剰になることはないそうだ。つまり、常に食糧需要が供給を上回り、不足の心配があるという。欧米などの投資家や国家機関は、世界的な食糧価格の上昇を見越して、世界各地の農地の所有権や利用権を買いあさっている。

中国でも中産階級が増え、食生活が贅沢になり、食糧需要が高まっている。しかし一方で、こうした食糧不安が発生しており、世界中が食糧不足の問題に取り組まなければならないようになって来ている。

将来、食糧が不足し価格上昇が酷くなれば、人々の生活に重大な変化が生じるだろう。食べる量が不足したり栄養価のあるものが食べられなければ、人々の健康が損なわれるだろう。精神的に不安になるだけでなく、いろんな価値観も変わり、人の存在価値すら下がるかも知れない。笑えない冗談だが、世界中の人々が挨拶を中国の習慣のように「ご飯、食べた?」と言うようになるかも知れない。

今はまだ、中国の食品価格はさほど上がってはいないが、すでに多くの人が生活に困り出している。これにはいろんな原因があるが、一番酷いと思うのはアメリカがQEでドルを大量に印刷して、不動産や外国通貨、コモディティの投機行為に走っていることだ。


写真)  寧波



2011年02月06日

海外生活のススメ(63)  ローン

今、中国にとって最大の問題は、インフレつまり異常な不動産価格と去年から食料品などが高騰していることである。しかし、不動産価格については、異常な値段であることを喜んでいる金持ち層がたくさんいるので、政府の対応は慎重にならざるを得ず、かといっていつまでも放置できないジレンマにある。

政策を見ると、不動産高騰を抑えるために融資規制、賃貸住宅の増設、不動産税、住宅購入制限などのいろんな抑制策を打ち出しているが、弊害が少ないようにある程度自制的なものにしている。したがって、不動産価格の問題は一気に解決することはなく、価格や世論を見ながら諸政策を調整するのだろう。

中国には、日本の借地借家法のような民法の特別法がない。そのため、不動産所有者の立場が強く、借家人は賃貸借の更新拒否や借賃の引き上げの不安がある。また、中国人が面子を大事にする国民であることを利用して、男性は家がなければ結婚できないという考え方を植え付けられてしまったことが大きい。

 今の住宅価格は、給与がかなり増えないと買えるものではないが、元相場が上がれば中国の製造業は輸出競争力が低下するので、労賃の上昇は状況的に難しくなるだろう。なのに、外資による不動産投資が増え、価格が下がりにくくなって、焦れた人が諦めて買っている。身近にもいるが、買うまでは幸せそうだったが、買った後は大したことない家と大変なローンで幸せそうでない。


写真)  中国の正月。老人たちは、近所の人たちとマージャンをしたり、カードゲームをして遊ぶ。