海外生活のススメ(58) インフレ対策
最近、中国はインフレ時代に突入したとする論調が目立つ。これまでは、ただ不動産だけがバブっていたが、この頃は農産物などの生活の必需品の価格も急上昇している。政府が緊急の物価対策を発動したので、最近はやや価格が落ち着きを見せているが、いつまた急上昇したり他の物に波及しないか危惧される。
インフレになれば、一般庶民の生活は途端に苦しくなる。庶民は、特別な生活防衛手段を持たないから、生活を切り詰めたり、別の良い働き口を探すとか余った時間を使って副業をするしかない。もっとも、中高所得者は贅沢品の買い控えなど工夫の余地がある。また、インフレ対策&財テクの手段として、家や店舗を買ったり金や株、美術品を買ったりしている。
ただ、中高所得者の行動は中長期的な視野に立ったものではなく、ギャンブルに近く短期間での金儲けを目的としている。特に不動産の購入は、依然投資対象として最も人気があり、大半の中国人はこれからも不動産価格が上昇し続けると思っている。しかし、政府がインフレ対策としてマクロ調整を強化している中で、更に価格が上昇するのは難しいだろう。
買い控えで消費が落ち込み、更に金利上昇で設備投資が減少すれば景気の減速が危ぶまれる。政府は先の中央経済活動会議で、保障性住宅や公共の賃貸住宅を大幅に増やす方針を打ち出した。これは、住宅価格の上昇を抑えかつそのことで消費の拡大を図ろうとしているのだろう。農業に対する政策も、灌漑工事や作付面積の拡大などを揚げており、インフレ対策を最重視していることが分かる。
写真) 故宮2