« 2010年10月 | メイン | 2010年12月 »

2010年11月22日

海外生活のススメ(55)  カップル文化

最近、若い男性が自分の恋人の小さいバッグを持ってあげたり、靴紐を結んであげたり、バスの始発駅では一緒にバスに乗り込んでバスが出発するまで一緒にいたりするのを見かける。靴紐を結ぶのは、今のところ上海と杭州だけで流行しているらしいが、中国を代表する2都市で起こっているので、これからあちこちに拡がるかも知れない。

また、女性が欲しい物があるけどカネがないと言うと、男性がこっそり買って来てプレゼントするというのもあるようで、若者にとってはこれが男性の理想像として写るらしい。しかし、こうした恋人への親切のやり方は、若者が独自に考え出したものではなく、おそらく子供の頃、自分が親から受けた愛情表現であるに違いない。

だから、これらは中国人にとってはあまり抵抗がないのだろうが、異国人の私にとっては、自分がしたいと思わない行為ばかりである。もっとも、カップル文化の中には他国のものなのに受け入れられているものがある。例えば、レディファーストの習慣である。これはアメリカで庶民の間に広まったインチキな男の優しさだが、西洋かぶれは真似る向きが多い。

ただ、そういうのは何となく情けない気がしてならない。こうしたマナーや習慣は、たとえ自国のと違っていてもあまり問題にする価値がなく、外国人が真面目に真似るようなものではあるまい。本来、相手のことを考えていれば自分流で良いはずだろう。


写真) 夜間道端で物を売る人


2010年11月09日

海外生活のススメ(54)  ハンディ

 海外も慣れて来ると、日本にいるのとあまり変わらなくなる。そこが、良いところでもあるのだが、新鮮味が薄れて次第につまらなくなって来る。結局、日本にいるのと同じようになって、何かに積極的にならない限り、目新しい体験はほとんどなくなる。そういう意味では日本も海外も大きな違いはない。

 しかし、どうしても日本にいるのとは同じでないことがある。それは、外国人であるという不利さがあることだ。しかも、このハンディキャップは、大事な場面で表面化することが多く、また長く住んでいてもなくなることはない。だから、注意を絶やさず本国人以上に励むしかないが、それでも大丈夫とは限らない。

 外国人というメリットもなくはないが、やはりハンディの方が大きく、日本にいるよりも努力が報われないことが多い。日本にいる外国人もたぶん同じで、謂われなき不利益を受けることがあると思う。日本にいた頃は、外国人のことを軽く見ていたが、同じ立場に立って彼らの不本意な思いが分かる気がする。

 もっとも、そういう消えることのない緊張感があるから、飽むことなく生活できるのかも知れない。穿った言い方をすれば、海外生活の良さは、リスクがあっても外国人というメリット、デメリットを両方味わえる面白さにあるのかなとも思う。


写真)北京4


2010年11月01日

海外生活のススメ(53)  夢

日本では、日本が先進国であることによる利益を受けていない人はほとんどいないが、中国では年平均10%前後という高い経済成長率にもかかわらず、未だその利益を受けていない人がたくさんいる。それが発展途上ということかも知れないが、そういう人たちを見ていると日本が高度経済成長していた頃を思い出す。

 収入が少ない人たちにとって、経済成長は単に物価が高くなることに過ぎないから、そんな中で暮らして行くには、辛い仕事でも我慢してするほかない。例えば、私の住んでいる街でも、夜になると多くの人が、寒空の中でも道路脇に小さな敷物を拡げて、小物を売ったりしている。

しかし、並んでいる品物はとても安っぽいものばかりだから、よく売れたとしてもわずかな稼ぎにしかならない。だから彼らも、そうした状況から何とかして抜け出したいのだろうが、自分がすでに得ているものを維持するのとは違い、そこから抜け出すのはかなり難しいに相違ない。

もっとも、日本も昔、豊かになる前はみんな俗っぽい夢を抱いていたから、彼らもちっぽけかも知れないがちゃんと夢があるだろう。表情を見ても暗さはないし、むしろ経済的に困っていない大学生の方が「自分たちはたいへんだ」というか顔をしていることが多い。彼らより学生の方が、はるかに可能性があるのだから、もう少し夢を持った顔をしていいと思うのだが、日本の学生はどうなのだろうか。


写真) 上海外灘