海外生活のススメ(49) 年金
中国は年金制度が不十分であるから、大部分の人は働き始めたときから、すぐに老後の心配を始める。しかも、今は一人っ子政策で結婚すれば親が4人になって、その面倒も見なければならないから、相当な蓄えがないと安心できない。
それで、若い人でも金を貯めたら、不動産・株への投資や仕事とは別に小店を出したり小物のネット販売など小ビジネスを始めたりする。かつ、勤務先での昇進や副収入のある部署への配置転換を狙いながら、更に給料が高い仕事や将来独立するのに役に立つ職業への転職を考えている。
このように中国人はとてもしっかりしているが、反面忠実さは低く、質の高い労働はなかなか望めない。そのため、組織の効率が悪く、労働者も自己の能力を引き上げられない。このように年金の問題は、労働者の勤労意識やライフプラン、組織の管理方法などに大きく影響する。
年金制度は、老後だけでなく、若者に将来への不安を抱かずに働ける環境を保障するが、日本は年金制度が破綻しかけており、若者へのこうした保障はほぼなくなってきた。しかも、中国のように自国の不動産や株への投資が、今後期待できる状況にもない。できることは年々限られて来ており、海外は残ったそのひとつである。
写真) 浙江ビジネスウィーク交易会会場(杭州市)