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2010年08月25日

海外生活のススメ(46)  家族愛

中国の家族は、日本の家族よりもその絆が強い。日本の家族の絆が弱いのは、他人との間で、そこそこ深い関係が成立し、その関係が家族とそれほど変わらないからだと思う。中国人ももちろん他人と付き合うが、日本人と違って一般に関係は希薄であり、家族との関係とは全然違っている。

これは思うに、日本人が他人を家族同様に信頼することがあるのに対し、中国人は初めから他人をあまり信頼していないからであろう。だから、日本人の方が中国人よりも、家族から離れて人間関係を拡げて行って、いろんな社会的な関係を生むことができる。

しかし、日本人は家族関係が弱いから、他人との繋がりが弱ければ孤独になる可能性がある。それに対し、中国人は家族との強い繋がりがあるから孤独を感じることは少なく、家族と離れて生活していない限り寂しさはない。そして、勉強すること、働くこと、出世し金持ちになることなども、家族のためという意識が強い。

こうした家族愛は確かにとても麗しく、生きる頼みとなり得よう。しかし、人が成長し、あるいは何か新しいことを生むには、他人との深い人間関係も欠かせない。中国人は、家族関係を精神的支柱とした強さがあるが、発展性という点ではそのことがマイナスに働いている。


写真)  北京3



2010年08月17日

海外生活のススメ(45)  主役交代

中国の株式は、去年の11月に政府による不動産投資への融資規制が発表され、次第に下がり始めた。その後、この政策の影響を受ける不動産株、銀行株だけでなく、他の業種も一斉に下がり出し、そのため「株は難しいが、不動産売買は簡単だ」という人々の認識さえ生まれ、反って不動産投資が増した。

おまけに、春には株の信用売買や先物取引が始まって株価の動きが怪しくなり、好景気で企業業績が期待されるのに株価は逆行するので、ますます人々の株離れが起こり、「金持ちは不動産売買しかやらない。株は貧乏人がやるもの」という言葉すら聞かれるようになった。

しかし、6月末に農業銀行のIPOが決まり、政府が保険会社の株式投資比重を最大20%まで認めることを発表したら状況は一変した。センチメントが変わり出来高が増え、株価は反転し、今年最安値からすでに300ポイント以上値を戻した。これは、どういうことなのか。

思うに、不動産価格は上がり過ぎているが、これまで景気を引っ張って来た不動産の価格が下がると消費が落ち込む。そこで、そうさせないために不動産価格が下落するタイミングを見て、不良債権が増える銀行を上場させ資金を集める一方、株が不動産に替わる景気拡大のエンジンとなるようにしたのだろう。


写真) 円明園(北京)


2010年08月09日

海外生活のススメ(44)  諦めない

中国では、自分の要求していることが理のあることならば、仮に相手が駄目と言っても何度も要求した方が良い。日本では一度断られたら、再度要求しても認められることが少ないので一般に諦めてしまう。それに、何度も同じことを言うのは、しつこいと思われて印象を悪くするかも知れないと遠慮が働く。

しかし中国では、たった一度要求しながら、それが認められなくて簡単に引き下がるようでは、本当はさほど必要でなかったのだろうと考える。結局、拒否した側は、判断が間違いでなかったと思って、冷たくしたとか済まないことをしたという気持ちはさらさらない。

だから、先に記したように、大事なことは決して諦めないで何度も要求したが良く、そうしなければ認められるものも認められないということである。そして、このことは少しばかり応用編がある。例えば、どうかな?という要求でも、何回も言えばその要求が通ることがある。

また、少し無理なことでもダメ元で言ってみようというのもアリである。あまり大事でないことは一回しか要求しないという判断基準があるから、一回だけ少し図々しい要求をしても特に心象を悪くしないからである。勿論、これらのことは中国人が日本人にそのようにして来るという点でも重要なことである。


写真)北京2



2010年08月02日

海外生活のススメ(43)  上からものを言う

中国では地位や立場が上の者は、下の者に対して上からものを言うのが当たり前である。それが一般的なので、例えば日本人が中国人に下手に出て丁寧な姿勢だと、「こいつ、自分より下だな」と思って軽く扱われたりする。これは、日本人にとってかなり嫌なことである。

日本人は上下関係があっても、上からものを言うと偉そうにしていると反発を買うので、あまり偉そうにしない。これだけ見ると、日本人の方が優しくて立派なように見えるが、そういう礼儀を守らなかった場合は「日本人失格」の烙印を押されて酷い目に会うから、どこまで優しいかは分からない。

だから、こういうのは日本人と中国人のどちらかが良いというものではなくて、ただ違っていると考えるべきだろう。日本人は中国人の上からものを言うスタイルが気に食わないだろうし、中国人は日本人の下手に出るやり方は卑屈でみっともないと感じるからである。

このように、日中の文化には優劣はなくただ違うだけのものが多いのだが、それを理解するには少し時間が掛かる。そもそも先の問題は、両国人のどちらかが毅然としてフレンドリーであれば問題は起こらないのだから、それができないアジア人の情けなさが生んでいるとも言える。


写真)  故宮(北京)