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2010年07月22日

海外生活のススメ(42)  経済ニュース

中国の経済ニュースは、経済政策の情報に関するものが多い。中国では政府が経済の基本フレームを作っているので、日本の政府が行う経済政策とは違ってドメインが広くかつその影響力が大きい。それゆえ、中国経済の動きを掴むには、経済政策のニュースを読むことが欠かせない。

だから、中国では常々経済ニュースに注目する必要があるはずだが、人々の関心はあまり高くなく信頼感も低い。なぜ政府の情報に注目しないかというと、政策が変更されることも多く、また政府の諸調査に対し省、市や企業が本当のことを報告しないこともあり、集計した資料が正しいはずがないと思うらしい。

しかも、政府の発表する政策には、必ず実施されるとは限らず、とりあえず社会の反応を見るものもある。したがって、発表される内容を鵜呑みにはできないし、一方その真意を考えることが必要になる。が、それは特別な情報ルートを持たない者には、諸情勢から総合的、整合的に考えて推測するしかない。

とは言え、社会システムが違っていてもやはり一番注目すべきは政府の銀行などの金融機関に対する政策であろう。なぜなら、どこの国も大きな問題のほとんどは金融機関が絡むからである。例えば、現在、好業績にも拘らず企業の株価が低迷しているのは、金融機関の問題が影響している。


写真)上海万博4


2010年07月14日

海外生活のススメ(41)  豊かさ

中国を見ていると、確かにモノが増え生活水準が上がっていると思う。それに、世界的不況の中からいち早く立ち直り活況を呈しているのを見ると、もはや並の国でなくなったと感じる。日々のニュースもそのことを裏付けており、特に大都市の発展には正直驚かされる。

 しかし、人は物質だけでは満足できない。自由さや公平さとか、安全な生活環境とか、受容的な人間関係など、のびやかに生活ができる要素が揃っていないと、幸福感は少なくなる。この点について、知り合いの中国人に、国が豊かになってどう思うか尋ねたことがあるが、昔の方が良かったという。

彼女は、今中国では家を所有していることが何より重要であり、既に取得している人は幸せだが、貧乏人はとっくに諦めており話題にもしないという。だが、もっと悲惨なのは大多数の中間層で、彼らは自分が家を買えるか、買えなかったらどうなるか、買ってもローンを払えるかなど、家のことで頭がいっぱいでストレスのために幸福感がないという。

市場経済化の中で投機行為が家の高騰を招いたが、そのため家の所有が将来の金持ちを保証すると見られるようになり、女性は家持ちの男性でなければ結婚の対象としないという社会現象すら生み出している。中国は豊かになっているが、俗物主義が支配し、のびやかに生きられなくなっている。


写真)  郭庄。西湖の中に造られた個人の昔の別荘。


2010年07月03日

海外生活のススメ(40)  住宅価格の行方

高騰を続けてきた不動産市場に、ようやく変化が見え始めた。5月は、大都市で中古住宅(マンション)の売却申込みが大幅に増えた。価格はあまり下げなかったものの、取引件数が大幅に減少したので、今後価格下落が見込まれる状況になっており、しばらくはまた住宅購入が控えられるだろう。

現在、中国の住宅は、大都市ではさほど良い場所でなくても、1平方メートル2~6万元(27万~80万円)しており、一般庶民には手が届かない価格になっている。しかも、売られている住宅は、一般にコンクリートを打ち放しの状態のものだから、実際に住むには更に内装をしなければならない。

中国の不動産購入はかなりの割合が利殖目的で、投資家の多くは価格が一旦下がってもすぐに元に戻るか、もし大幅に下がるようだったらまた投機のチャンスと見ており、考えを改める様子はない。しかし、政府は住宅投資による経済成長に限界が見え始めたので、方針を変更したように見える。

それゆえ、今後は不動産投機で大儲けすることはなくなったと思うのだが、労せずして金を得ようという気持ちはどうしても強いようだ。だが、住宅価格の上昇を押え込むことは、消費を拡大したり、中西部への産業移動を促進し都市化を図るのに欠かせないことであり、政府の方針が揺らぐとは思えない。


写真)  上海万博3