海外生活のススメ(25) 中国の正月
旧暦の正月は、中国では年中行事の最大イベントで、正月が近づくと人々の表情が何となく変わって来る。たぶん、故郷で誰に会うとか土産を何にしようかとか考えて、生き生きして来るからだと思う。正月の午前0時には悪を追い払い幸運を呼び込むために、たくさんの花火が打ち上げられる。街中で一斉に打ち上げるので、360度全方向に花火が見える。花火の多さ、大きさを見ると景気の状況が分かると言われる。
中国人が、正月を殊更楽しみにするのは、かつての日本もそうであったように、正月に新しい服を下ろして、いつもは食べれないご馳走があるからである。しかし、最近は正月のようすが変わって来ているという。経済が発展して人々の生活が豊かになり、新しい服もご馳走も日頃得ているので、正月がさほど特別でなくなったからである。また、裕福な家庭は正月に家族で旅行したりするようになっている。
正月がさほど特別でなくなって来ると、特に子供にとってはお年玉をもらうこと以外にはあまり楽しみがない。一方、親たちは親戚同志で子供の成績を比べ合ったり、子供がどんな学校に入ったとか出世したとか自慢話をしたり、親戚の子の節介をやいたり、小遣いの額で親孝行の度合いを話題にしたりして過ごすようだ。
比較されたり節介をやかれたりするのはいい迷惑だと思うが、中国の子供たちはあまりそういう意識がなく、結構受け入れているようだ。価値観が多様化して来るともっと面白いと思うのだが、一つの価値観ではどうしても優劣を付けるだけの話になってしまう。日本でも似たような光景がまだ見られると思うが、正月は気持ちを入れ替えるためのものだろうから、人が自由に自分の夢や希望を語れる方がいい。
写真) 温州では、今も安い三輪車が人々の交通手段の一つとなっている。