« 2009年12月 | メイン | 2010年02月 »

2010年01月30日

海外生活のススメ(21)  適応性

日本にいた頃、自分に社会的適応性があったかというと、実はあまり自信がない。このことで、傍目にどう映っていたか尋ねたことがないので分からないが、他の人と比較しても、おそらく適応力がない方だったような気がする。

そういう私が中国に来てどうかというと、中国社会が人に優しいということはないのだが、やっていられないと思ったことは一度もないし、自分の適応性のなさを自覚したこともない。

だがこれは、住む場所を替えたからとか、適応力が付いたということではないと思う。私は日本でもマイペース型人間であったが、それでもできるだけ周囲に合わせようとしてきた。それが中国へ来て、周りに合わせようという気持がなくなり、適応性の問題が生じなくなったのだと思う。結局、適応性については自分の姿勢が一番大きいのだろう。

もっとも、私は今でも日本が住みにくいと感じる。確かに、日本社会は人に優しいところがあるが、それは他人に対し自分の都合のよい人間になって欲しい気持が強いからで、それゆえ他人が自分の思い通りにならなかったときの反動が大きく、それがどうにも苦手である。


写真) 中国では、夜、店を閉じるときに生ゴミ以外のゴミは歩道へ放り出すところが多い。早朝に道路を掃除する人が片付ける。


2010年01月21日

海外生活のススメ(20)  中国人の不動産好き(2)

中国の家庭では子供が結婚するとき、親が家や車をプレゼントするのは結構普通なことだそうだ。日本では子供が結婚するとき親がそこまでするのは少ないが、中国ではある程度裕福な親は家の頭金を負担したりする。これは、家があってはじめて落ち着いて生活ができると思うからだそうだ。

こういう考え方は、もちろん理解できる。しかし、今、不動産を買い漁っている人達は、落ち着いた生活のためではなく、単に利殖のためである。不動産が好きなのではなく、不動産を持っていないと惨めだと思う人が多いことを利用して、金儲けしているに過ぎない。そういう金儲けを考える人が多いことが、不動産の高騰を招いている。

それにしても、なぜ異常な価格になるまで不動産を買い続けるのか。実は不動産を買うことには、別の動機がありかつ大きな保険が付いている。中国は人口があまりにも多く、特に才能を持たない人は社会に完全に埋もれてしまい、金持ちになるチャンスはない。不動産を買うことは特別な才能が要らないし、危険と分かっていても一か八かの勝負をせざるを得ないと考えるのである。

また、不動産を買い漁っている人はもの凄く多いし、仮に不動産価格が暴落したら破産するのは自分だけではない。そして、多額のローンが返済不能になれば銀行が危うくなるが、中国の大手銀行はすべて国有だから、潰せないので政府が何とかするに違いないと考えて強気なのである。こうした動機と保険があって中国の不動産は高騰を続けているが、今後どうなるかを注目している。


写真)温州の靴工場。


2010年01月11日

海外生活のススメ(19)  中国人の不動産好き(1)

今、中国では「蝸居」というドラマがたいへん話題になっている。普通の夫婦がマイホームを得るためにいろいろ苦労する話だが、内容が実社会で起こっていることにそっくりというので人々の共感・関心を呼び、マイホームに対する願望のせりふのところでは多くの中国人が「そうだ!」と頷きながら見ているらしい。

中国の大都市の不動産価格は、日本の不動産価格よりも高く、中国人の一般的な所得水準からは遠く掛け離れたものになっている。どうしてそのように不動産価格が高いかというと、いろんな要因があるようだが、一つには人々の間に不動産は絶対に値上がりし続けるという妄信があるからのようだ。

日本でも以前そうした不動産神話があったが、今、中国ではその神話によって頭金があるならば、すぐに不動産を買ったがよいという考えが蔓延しており、人々がそう思って買うから価格が上がり、価格が上がるから買うという循環が起こっている。もちろん、こうした不動産の高騰はいわゆるバブルと言われるもので、その危険性についてはかねてより指摘されており、中国人もよく承知している。

では、なぜそんな危険な投資をするのか。今、中国の金持ちの大部分は、不動産投資によってその資産を得た人達である。つまり、危険を避けた理性的な人達は金持ちになれず、危険を冒した人が金持ちになっており、またそうやって金儲けをした人たちが自分の周りにたくさんいるという現実があり、それゆえ最早躊躇してはいられないということで買いを急ぐようだ。
続く


写真) 売上げ中国一のデパートといわれる杭州大厦。世界中の有名ブランド品が揃っており、ヨットやBMWなども売られている。


2010年01月02日

海外生活のススメ(18)  口喧嘩

中国は広いので、地方によって全然ようすが違うが、中南部の方では街中でよく口喧嘩しているのを見かける。口喧嘩は、今にも暴力沙汰になりそうなくらいに激しいし、女性も辺り構わずにやる。通行人も立ち止まって喧嘩のようすを見たり、中にはそれを聞いて当人達に意見を述べているから面白い。

日本では、一度仲が悪くなると一般に関係修復が不可能だが、中国ではそうでもないようで、よく喧嘩するのは仲直りすることができるからだとも言えそうだ。また、中国人の口喧嘩は、日本人から見たら非常に激しく見えるが、実はそれなりに限度をわきまえてやっている。

中国で口喧嘩が多いのは、ひとつには態度が不真面目な人が多いからで、人から文句を言われて態度を修正し、相手や文句の程度でその度合いを決める文化だからだと思う。そして、相手の主張と自分の主張が離れていれば、当然激しいやり取りにならざるを得ず、喧嘩の時間も長く掛かる。

このように、中国では争い方やトラブル解決の方法が日本と大きく違っている。しかし、口喧嘩などの習慣にも必ず何らかの合理性を持った仕組みが働いているのだから、外国人はその原理とやらを理解しつつ、かつ原理の欠陥を把握していないと対応を誤りかねないので煩わしい。


写真) 孔雀は檻の中で見るものと思いがちだが、ここでは森の中で放し飼いされており、笛を吹くと餌を求め飛んで来る。(場所:西双版納)