海外生活のススメ(10) 中国の家庭観
日本でも子供の教育に熱心な家庭が多いが、中国ではさらにその程度が激しく、かつ一般的である。中国は人口が多いため、いろんな選抜がまず学歴によりふるいに掛けられる。つまり、学歴がないと競争のスタート台にすら立てない。そのため、子供は小さい頃から良い大学に入るための激しい競争にさらされている。
また、中国では年金制度が不十分なことから、子供が一番の老後の保障手段となっており、親は子供の将来に強く期待し、積極的に教育投資を行う。そして、親は金を出す換わりに、子供のことに口を挟む。他方、子供の方も親が心配してくれることを有難がたがって期待に応えようとし、言うことを聞けば間違いが少ないと考えている。
こうしたことは日本でもよくあることだと思うが、日本のある大手の広告代理店の調査結果によると、「日本では家庭が安息の場となっているのに対し、中国では家庭は自由な活動の場であり、また日本では家族を束ねるはっきりとした軸がないのに対し、中国では家族はお互いが向上するためにあると考えている」という。
この調査結果からすると、中国では家族は自由な関係で、お互いが向上できるような雰囲気があることになる。しかし、日本にも存在する同じような状況が、中国では中身が全然違うとは考えにくい。思うに中国では、学校内での規律が厳しいため相対的に家庭が自由なところとなり、また外部の人との紐帯が弱く、人間関係が家族中心になるからだろう。
写真) 休日の公園には、いろんな楽器を演奏する人がいて、街の人はそれを聞いて楽しむ。