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2006年06月16日

昌化鶏血石

鶏血石を見に昌化玉山へ行きました。現物を見たのは初めてです。 鶏血石は名前のとおり鶏の血のような色をしています。この赤い色の成分は水銀で、日に当たると色が変わってしまうそうです。田中角栄が訪中したときに、周恩来からこの石で作った判子をプレゼントされ . たことで有名です。


玉山で鶏血石を加工し販売している 邵誠鑫さんを訪ねました。 邵さんは、美術石の本にも取り上げられるほどの優れた技を持つ工芸師です。彼は原石を見て、その色・形・模様の特徴を最大限生かすよう作品をイメージし彫っていきます。今杭州市で開催されている世界レジャー博覧会にも、彼の作品が展示されているそうです。


彼は書籍を取り出してきて、鶏血石や玉山の状況について詳しく話をしてくれました。 昌化玉山の歴史は古く、 1000年前から石の採掘・加工が行われてきたそうです。鶏血石は玉山の代表的な石で、清王朝の時代には一番身分の高い官吏の帽子を飾る石として使われました。石の種類で位が判断されていたのです。玉山では、ほとんどの人が石の採掘や加工・販売に関わっていて、人々の生活は結構良いようです。ここ 10 年来、中国の好景気により玉山石の工芸品が収集や高価なプレゼントの対象になり、需要が高まっているからです。
邵誠鑫さん
邵さんの作品が紹介されている本

しかし、玉山は今大きな不安を抱えています。まず、ここの石は後 10 年で掘り尽くしてしまうそうです。今も、毎日 1000 人近い人が山に入って採掘をしています。裾野が 50 キロに及ぶ山が一面穴だらけになっています。それだけではありません。 邵 さんは、北京オリンピックが行われる 2008 年までは大丈夫だろうが、その後はこんなに山を破壊すると、採掘が一切禁止される恐れがあると心配しています。村人の中には、すでに他の地域に移り住むことを考えている人もいるようです。

鶏血石の原石(値段は6万元)
作品1 代表作「鬼を捕る酒壺」6千字の経文が彫ってある

邵 さんも、今が正念場と考えています。最近、愛着のあった自分の作品 29 点を、 60 万元で手放しました。理由は、石が全く採れなくなるかも知れないので、今のうちに原石を買い溜めして置きたいからです。しかし、これくらいの金額では、原石でも高価な玉山の石をたくさん買い集めることはできません。そこで彼は、原石購入に投資してくれる人を探しています。石が採れなくなれば、それを加工して売ると何十倍もの利益が見込まれるので、効率の良い確実な投資のはずだと言っています。

作品2 「蝉」
作品3 「田螺」

( 2006.6.7  YM)

2006年06月01日

ゴミ処理施設モデル村の建設のためにご協力を

浙江省臨安市大峡谷鎮は、杭州市から西方に車で3時間ほど行った山間の地区である。村はほとんどが標高200~500メートルのところにあり、地名のような険しさはない。鎮には40の村が存在し、村の人口は200~2000人(平均1000人)である。臨安の市街地から近いが、都市部のような工場は一つもない。産業は農業が中心で、米や野菜、筍、木の実、花などを栽培している。自然林が多く、中国らしい切り立った岩の塊の山も見られ、それなりに美しい。
 
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知り合いの大学の先生から、同鎮人民政府の程矮兴鎮長を紹介してもらった。私が村のゴミ処理の様子を見に来たというと、鎮の全ての村がゴミ問題で困っているので、何かいい方法がないかと相談された。大峡谷鎮では工場はないので、ゴミは全部一般家庭から出たものである。現在のゴミ処理方法は、穴を掘って埋めるという原始的なやり方で、埋めた後はやはりしばらくは汚水が下方から出て来るらしい。しかしそれ以外にも、多くのゴミが川に投げ捨てられているという。実際に様子を見に行ったが、あちこちの川べりに大量のゴミが捨てられていた。環境に対する住民意識が低いのかと思ったが、実は彼らもこのままではいけないとは思っているらしい。だが、どうしたらいいのか分からないのだという。
 
 
中国ではこれまで、かつての日本がそうであったように、ゴミ処理は基本的に住民自らが考えることで、行政がやる仕事とは考えられて来なかった。しかしそのため、ゴミ処理に対する行政の対応が遅れており、この鎮と同じような状況は中国全体で見られる。程鎮長は、ゴミ処理施設を造りたいが、小さい村で設置した例がないので、どうしたらいいのか分からないという。どんなゴミ処理法があるのかが分かったら、とりあえず村々で検討ができるのではないか。そして、一箇所でもゴミ処理施設を持つモデルの村があったら、それが拡がって行くのではないかと思う。

導入例がない限り行動しない行政の体質もあって、ゴミ処理は中国の大きな問題となっているが、農村政策に力を入れようとする中国政府の方針もあることだし、何らかの知恵を日本人・日本企業にお願いしたい。(2006.5.10 YM)