2012年05月08日

海外生活のススメ(111)  中国衰退論

最近、メディアには「中国衰退論」の論調が現れており、中国は人口メリットや改革メリットがなくなり、資源環境や経済体制は持続不可能であり、遠からず危機が発生するとの見方を伝えている。確かに、今までのこうした成長要因はやがて消えてしまい、その替わりはありそうにない。

その上、不動産政策は大きな社会的歪みを生み出し、鉄道事業も大きく躓いてしまって、体制や計画の見直しが不可避の状況となっている。また、今後は一人っ子政策による諸弊害が考えられ、経済発展の鍵となる技術開発、生産性の向上も今の教育制度や国民性からして望みが薄い。

今後、何をもって経済成長を維持するかは、ビジョンとしては構造調整を推し進めることだろうが、その具体的な内容はいずれも問題山積で、実現困難なものばかりである。ただそうであれば、最早中国の未来は非常に厳しい状況かというと、そう断定できるものではないと思う。

理由は、まず最も懸念された不動産価格が沈静化に向かっており、徐々に正常化されていることである。次に、地方都市の開発、保障型住宅の建設など投資の潜在力があるし、資源開発、灌漑事業など手を付けていない部分も多い。また、豊富な外貨を利用した海外の資源、農地への投資が活発であり、社会を維持する条件の確保が進んでいることや、電気・電子製品がコモディティ化しており価格競争できることも大きい。さらに経済の構造調整が自主的に進まない構造であるが、いざとなればそれらを断行できることは自由主義国にない強みである。


写真)  美食街のレストラン